25の指針「建材の選択」

自然素材、汚染されていない材料を用いる

バウビオロギー建築では自然素材の利用はとても重要です。「建材の選択」だけでなく「快適な室内環境」・「持続可能な環境の形成」の指針にも関連するからです。合成化学系の建材は石油由来ですから、石油の運搬・精製・製造・廃棄それぞれのプロセスでエネルギーを消費し汚染のリスクがあります。自然素材を必要以上にいじくることなく単純なあり方で使うことを基本としましょう。

部屋の音響、遮音を最適にする(低周波も含む)

騒音は特に人間にとって不快で迷惑に感じられ、場合によっては健康被害まで引き起こすことになるほどの深刻な音を指します。不快か、健康被害まで引き起こすかは、その量・質・時期・原因・騒音にさらされる人の性格・年齢によって捉えられ方が異なります。乳幼児の過ごす場や寝室の静けさを確保しましょう、特に体に感じない低周波の振動は睡眠に悪影響を及ぼします。原因を特定するのは困難ですが、発生源としては地下鉄・車・冷蔵庫・換気扇・空調機なども考えられます。

調湿性能をもった材料を用いる

住宅の高断熱高気密が進み、合成化学系の建材が多く使われている住宅では過乾燥が問題となり加湿器が使用されていることも多いです。加湿器を使った加湿はストレスを引き起こし、菌を撒き散らしているいる可能性があります。乾燥空気が悪いのではなく、乾燥空気によって気道の粘膜が傷み、ウイルスやダスト(汚染物質)が浮遊しやすくなることが問題です。自然素材は吸放湿性があり湿気を調整してくれます。調湿性能をもった材料で部屋を包むようにすることです。

断熱と蓄熱、表面温度と空気温度の調和のとれた関係に留意する

熱還流率などの外皮性能は数値で示すことができるため私たちは断熱だけに目を向けがちです。ですが断熱だけでは快適さは得られません。蓄熱(熱容量)とのバランスを見つけることが大事で、熱はゆっくりと移動することで私たちの体にとって心地良い状況をつくるのです。人が感じる温度感覚は空気温度よりもむしろ床壁天井の周壁表面温度の影響が大きいといわれています。空気温度よりもむしろ周壁表面温度を快適温度に近づけるよう考えましょう。

新築(躯体)の湿気の放散に注意する

コンクリートは施工に要する水150l/m3のうち結合に要する水は45l/m3、残りの105l/m3は施工後に残存し徐々に放出されます。壁厚30cmの乾燥時間は、石灰モルタルで0.7年、コンクリートでは最初の1年で90%以上が乾燥しその後3年ほどかかります。湿気た状態は濡れた衣服を着ていることと同じです。新居に入居する前にできるだけ乾燥させておかなくてはいけません。乾燥時間が工期に見込めない場合、乾式工法の検討も必要です。

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