光熱費1/2住宅 昼光利用

自立循環型住宅AB

居住時のエネルギー消費量を1/2に削減しながら、住人が「心地よい」と感じる住環境も実現する「自立循環型住宅」解説シリーズ、13要素の解説第2回目です。

A-02 昼光利用
(冷房エネルギー2~10%削減)
昼光の利用は照明エネルギー消費の削減と快適性の向上を目的とした技術で、冬季においては日射の取得につながり温熱環境にもよい影響を与えます。一方夏季においては日射遮蔽とのバランスをみながらトータルでの計画が重要です。
他の12要素同様、「自立循環型住宅」では郊外型立地から過密立地まで立地条件を3タイプに分類し、それぞれの立地での具体的手法と目標エネルギー消費削減率を設定できるようになっています。

昼光利用では第一ステップとして敷地条件と日射条件を確認し、第二ステップで直接的な採光手法の検討を行います。検討の際には、将来の周辺環境の変化や敷地の一部売却の可能性なども考慮することも大切です。次に第三ステップとして間接的な採光手法の検討を行います。

初めに、概略を計画するための平面断面チェックを行いますが、午前・正午・午後の太陽位置と日影の伸び具合を細かくチェックしてライフスタイルなど長期的な視点で考えて検討することが快適で明るい室内環境の実現に繋がります。東京において太陽高度は、真南で冬至の場合30.6°、夏至の場合77.5°、春秋分の場合54°として検討します。

手法1 直接的な昼光利用手法
昼光利用の第一段階は開口部による採光計画です。敷地条件や居住空間の特質により適切な採光手法を選択し、同時に自然風の利用や開口部からの熱損失や夏季の日射遮蔽と日射調整についても考慮します。
①窓の形状による室内の明るさの違い
同じ面積の窓なら横長よりも縦長の方が照度の均一性は高くなります。
②窓の位置による室内の明るさの違い
窓は位置が高いほど照度の均一性は高くなります。高窓は近隣の影響をやや受けにくいこともメリットの一つです。窓を低い位置に設置する場合、床の反射を利用するとよいでしょう。
③側窓と頂側窓・天窓による室内の明るさの違い
隣棟間隔が狭く採光可能性が低い場合、あるいは北に面した居室に明るさを確保したい場合などは、頂側窓や天窓によって効率的な採光を計画することが有効です。高い位置にある窓は室の奥まで照度の均一性は高くなり換気性能が上がるメリットもあるます。頂側窓や天窓で注意する点は、清掃や点検のメンテナンスと夏季の日射遮蔽について考慮が必要です。
手法2 間接的な昼光利用手法
開口部から取り入れた光を適切に居住空間へ導くこと(導光)によって、明るさを含めた視覚的な快適性を向上させることができます。優先順位としては、まず空間構成や内装仕上げによる建築的な導光を十分検討した上で、不足する部分を装置的な導光で補うというようにしましょう。光の系経路をイメージしながら検討することが重要です。
①吹抜けによる導光
吹抜けの高所に開口部を設けることで、室の奥まで光を導びくことができます。基本的には採光手法における高窓や頂側窓と同じ考えで計画します。ただし天井高が大きくなるので、照明計画や暖房計画にも配慮が必要です。
②欄間等による導光
間仕切り壁の上部に欄間を設けることにより、採光条件の悪い隣室にも光を導くことができます。また欄間と同じようにガラスブロックやガラススクリーンなどを利用しても同じような効果が得られます。
③光井戸・光庭による導光
側窓での採光がほとんど期待できない場合でも、屋上階は天窓を設けることで採光が可能です。さらに光井戸や光庭を計画し、上下階に貫く光の道をつくれば下層階にも導光できます。構成部材の透過率や反射率を考慮すれば階段室なども光井戸の効果を得ることができます。
④仕上げ面の反射による導光
仕上げ面の反射による導光は、日本の伝統的な建物にも多く使われている手法で、地面で反射した光を軒裏で反射させて屋内に導いたり、縁側等で反射した光を天井で反射させて奥に導くなどにより、光の経路を計画します。ただし、夏季の照り返しや取り込む自然風の温度上昇などを生じることがあるので、季節ごとの効果を検討して仕上げや植栽を工夫する必要があります。
⑤装置による導光
窓上部に中庇を設置するなど窓に装置を装着することで光を反射させて室の奥へ導く手法です。これを水平面反射装置(ライトシェルフ)と呼んでいます。ライトシェルフは室の奥まで照度をより均一にする効果がありますが、同時に日射熱の流入を増やすことになるので夏季には適切な日射遮蔽を行う必要があります。
以上です。次回の光熱費1/2住宅では太陽光発電技術を紹介する予定です。

タイトルとURLをコピーしました