光熱費1/2のエコ住宅 日射熱利用2

自立循環型住宅AB

光熱費1/2のエコ住宅(自立循環型住宅)シリーズ
今日は日射熱利用の後半をお届けします。
(3)日射熱利用の手法
手法1 開口部の断熱手法
建物からの熱損失が小さければ、それだけ集熱しなければならない日射量も少なくてすみます。熱損失を小さくするためには、とくに大きな熱損失部位となるおそれの高い開口部の断熱手法が重要です。
①ガラスの仕様
ガラスについては熱損失を抑えることと取得熱を増やすことの両面が求められます。断熱性能が高く(熱貫流率が小さく)かつ日射透過率の大きい仕様のガラスを選択することが有効。関東以南の温暖地域では複層ガラス、寒冷地域では低放射複層ガラス等を選択することが望ましいです。
②建具の仕様
窓枠部分の断熱性能を向上させることで、開口部全体の断熱性能が上がります。木材や樹脂など、断熱性が高く熱を伝えにくい材料の検討が必要です。
③開口部全体の断熱性の要件
手法1の適用要件となる開口部の熱貫流率の値および開口部の仕様例を示します。
・開口部の熱貫流率:2.91(W/m2・K)以下
・木製またはプラスチック製サッシ+A12複層ガラス
・金属製熱遮断構造サッシ+A12低放射複層ガラス
※Aとは空気層厚みを意味します
手法2 開口部からの集熱手法
開口部は熱損失の大きい部位ですが、南向きの窓であれば1日の熱収支は+になる場合が多くなります。
手法2の適用要件となる開口部は、真南±30°の方位に面する集熱面となりうる開口部で、延べ面積の20%以上の集熱開口部面積が必要です。
ポイント:真南±30°以外の窓では、開口部からの熱損失によって暖房負荷が増えます。したがって大きな窓ほどその方位を真南向きに近づける必要があります。
手法3 蓄熱手法
蓄熱は室温を安定して保つのに効果のある技術です。蓄熱に有効な建築部位は、床・外壁・間仕切り壁・天井ですが、家具などもにも蓄熱効果があります。
①蓄熱部位の材料
蓄熱部位に用いる材料には、次の3店の特性をもつものが適しています。
・熱容量(要熱比熱)が大きいこと
・熱が伝わりやすいこと
・表面からの熱の吸収・放散がすみやかに行われること
このうち最も重要なのが熱容量です。熱容量は次式で求められます。
熱容量(kJ/°C)=蓄熱部位の容積(m3)×蓄熱材の要熱比熱(kJ/m3・°C)
代表的な蓄熱材であるコンクリートの要熱比熱は2013、有効厚さは0.2mです。
有効厚さとは蓄熱部位として計上できる厚みのことで、表面から有効厚さ分しか蓄熱放散効果が期待できないために決まっています。
②蓄熱部位の要件
手法3の適用条件となる蓄熱部位の熱容量は120(kJ/°Cm2)以上です。すなわち1m2当たり120kJ/°C程度の熱容量のある蓄熱部位を用いればいいのです。
③蓄熱部位の設計上の留意点
・蓄熱の効果は直射日光があたる部位ほど顕著ですが、日射が直接当たらない部位でも蓄熱効果を見込むことができます。
・蓄熱部位の面積は広いほど効果は大きくなります。広い面積に薄く熱を蓄える設計とすることが望まれます。
・蓄熱部位の厚さについては、材料の有効厚さ以上では蓄熱性能が変わらないことを意識して計画することが重要です・
・蓄熱部位の厚さが薄くても相応の蓄熱効果は得られます。

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