省エネ住宅の設計手法 断熱計画3

(3)断熱計画の検討
①断熱方法の選択
木造住宅の断熱方法は、A充填断熱とB外張断熱に大別できます。充填断熱は柱や梁の間に断熱材を充填する断熱工法で、外張断熱は構造体の外側に断熱材を設ける断熱工法です。これらのどちらか一つを選択しなければならないというものではなく、住宅の部位ごとに適した方法を選択すればよいのです。寒冷地では断熱材の厚みを確保するため、同じ部位に両工法を併用することもあります。

②各部位への断熱性能の配分
断熱性能のバランス設計は、各部位をバランスよく断熱するAバランス型と、部分的に断熱強化するB部位強化型の2種類があります。
A.バランス型
省エネルギー基準に規定されている部位ごとの断熱基準を適用することによって、目標レベルを達成することができます。

B.部位強化型
例えば土塗壁のように外壁に厚い断熱材を充填できない場合、外壁以外の部位
の断熱を強化することにより、外壁の断熱を低減することができます。

(4)断熱技術の検討
①躯体の断熱技術の検討
目標とする断熱性能は、単に断熱材を押し込むだけでは得られません。また、内部結露などの障害についても対応する必要があります。断熱材には様々な種類あり、それぞれ必要とされる厚みが示されています。それぞれに長所短所があり、この場では細かな解説は避けますが、平成11年に示された「次世代省エネ基準」による性能を確保するため昨今標準的なものは「高性能グラスウール 厚100」です。また屋根の断熱不足を壁で補う仕様として新たにしめされた基準では、「高性能グラスウール 厚105」を壁・屋根面に施せばよいことになりました。

②断熱層の基本構成
4人家族の住宅では、人体などから1日に3L~5Lの水分が発生します。冬季
にこの水分が壁内に入り込み排出されないと壁内結露が起こるのです。壁内結露を防止するには、壁室内側に連続した「防湿層」を設置し、外部側の透湿抵抗を下げる(湿気と排出し易く)すなければいけません。また外壁下に通気層を設ける事も有効な手段です。
阪神淡路大震災後に急速に普及してきた外壁下地合板を設置する場合は特に注意が必要で、必ず内部側に防湿層を隙間なく設置しないと、高い確率で内部結露が発生します。

③通気止め
昔の木造軸組住宅は、床から壁などの躯体内通気によって構造木材の乾燥がはかられてきました。しかし現在の断熱住宅では、そうした躯体内通気が断熱性能を低下させてしまいます。断熱効果を十分に発揮させるためには、床下から壁・壁から小屋裏への通気を止めることが必要です。ダウンジャケットをイメージすれば分かりやすいと思います。断熱材は通気を遮断することで表示性能を発揮できるのです。

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