3月15日のブログでは木造住宅の二酸化炭素削減量を
検討しました。
超概略で木造住宅1軒に使われている木材量から換算して
15CO2トン、木造住宅1軒の木材が森林で成長する過程で
吸収する二酸化炭素量を合計すると46CO2トンとなりました。
ただし46CO2トンの削減を実現するためには、原木全てを
有効利用しなければいけません。構造材や仕上げ材として
使用できない部分の多くを廃棄している現状では、ここまでの
削減量は見込めません。
さて、木造住宅を建設する過程では、伐採、剥皮、製材、防腐、
人工乾燥、運搬、建設などの過程で二酸化炭素を放出してい
ます。
最初に、木材製造時の二酸化炭素排出量の解説を公開して
いる資料があったので紹介します。
ウッドマイルズ研究会:http://woodmiles.net/pdf/kn018.pdf
この資料によると、製材1m3当たりの二酸化炭素排出量は、
天然乾燥→54.67 kg-CO2
人工乾燥→363.43 kg-CO2
人工乾燥+防腐処理→494.74 kg-CO2
このことから、製材過程での乾燥方法により大きく影響すること
が一目瞭然。人工乾燥するならばオイルではなく木材廃材を利用
することが有効ですね。
参考資料として住宅1軒20m3として製材過程でのCO2排出量を
計算すると、
天然乾燥→1.1 CO2トン
人工乾燥→7.3 CO2トン
人工乾燥+防腐処理→9.9 CO2トン
次に、木造住宅1軒を製材、運搬、建設する過程で発生する
二酸化炭素排出量が「CASBEE住まい」の解説書で示されている
ので紹介します。
CASBEEでは、建設時の二酸化炭素排出量を「kg-CO2/年m2」
つまり1年・1m2当たりの排出数値として示している。寿命30年
では8.915kg-CO2/年m2なので、100m2の住宅で試算
すると、8.815×100×30年→26.74 CO2トン となる。
1軒の木造住宅完成までの二酸化炭素排出量→26.74 CO2トン
この26.74 CO2トンという数値は、木造住宅の建設で構成される
木材・コンクリート基礎・鉄筋などCO2排出のトータルです。木材の
乾燥方法は、現在の一般的な人工乾燥での数値だと予想できる。
今日はここまで、次回の木材研究シリーズでは、木造以外の工法
との比較について考えたいと思っています。
木造住宅の二酸化炭素排出量

コメント
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