大規模木造建築をつくるポイント

●公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律
第174回通常国会において「公共建築物等における木材の利用の
促進に関する法律」が成立し、5月26日公布されました。
林野庁ページ:http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/koukyou/index.html
我が国では、戦後、造林された人工林が資源として利用可能な
時期を迎える一方、木材価格の下落等の影響などにより森林の
手入れが十分に行われず問題となっています。
こうした状況を踏まえ、現在、木造率が低く(平成20年度7.5%)今後
の需要が期待できる公共建築物にターゲットを絞って、国が率先して
木材利用に取り組み木材全体の需要を拡大することをねらいとしています。
●大規模木造建築物の問題点
ご承知の通り、木造建築の工事費はコンクリート造や鉄骨造より低い
です。しかし近年建設された大規模木造建築物はコンクリート造より
コスト高となっています。
一般住宅は規格流通品と一般化したオープンな生産システムで建設
することで安く建設出来るのに対し、大規模木造建築は特注の大断面
集成材と接合金物で建てているため高くなっているのです。
もう一点の問題はJAS認定材と地域産材の限定利用による材量不足です。
JAS認定を得るには設備投資が高く対応できるプレカット工場が少ない。
そして地域産材と限定することによる材不足という問題が表面化してます。
●大規模木造建築をつくるポイント
大規模木造建築物を地場の大工が建方まで施工できるよう設計する
ことは、コストダウンと後々のメンテナンスを考えると非常に重要です。
このような観点から5つのポイントを解説します。
①オープンな生産システムを利用する
幅120ミリ×成120~450ミリ、長さ3m~6mの中断面集成材は
特注の大面集成材の1/2~1/3の単価です。この中断面集成材を
利用して設計するよう考えるべきです。
架工形式を工夫して長さ6m以下、成390ミリ以下の中断面集成材を
組み合わせて設計する必要があります。
②地場産材限定から国産材利用化へ変更する
大規模建築物を普及させるためには、地場産材限定とせず、地域材
あるいは国産材でも可とすべきである。
③木を室内に表す場合の燃え代
木を室内に表す場合、火災で燃えて炭化する部分を差し引く必要が
あります。これを燃え代としい、45分準耐火で35mm、1時間準耐火
で45mmを両側から差し引かなくてはいけません。中断面集成材で
は厳しいので合わせ梁とするなど対応が必要です。
④接合部
接合部は在来継手仕口を応用し、プレカット工場や簡単な手刻み程度
で対応できるよう設計する。
⑤壁量計算を利用する
壁量計算を満たしていれば、JAS材による構造計算の提出は不要。
この制度を利用すれば一般流通中断面材を使えます。ただし、構造
計算で安全を確認するために、全部材のヤング係数を測定は必要です。

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