賃貸住宅の新標準 積極的賃貸派の台頭

賃貸住宅の新標準シリーズ 4
「積極的賃貸派の台頭」
■積極的賃貸派、の理由
積極的に物を所有しない、レンタルで済ませるという消費意識
が住居分野にも影響を与えている。ライフスタイルの多様化と
相まって「もたない」事を好む積極的賃貸派が増えている。
賃貸派は若年層に増えており、かつての「仕方がないから賃貸」
から、「賃貸住宅の方がよい」というように考え方が変化している。
土地神話の崩壊、雇用環境の悪化、所得水準の低下により、
この傾向がさらに進むと予想される。
■今、賃貸住宅は余っている
平成20年、総務省による「住宅・土地統計調査」によると、
総住宅数は5800万戸、このうち空家は780万戸、総世帯数に
占める空家率は13%で、その55%が賃貸住宅だ。
余っている賃貸住宅を活用するべきだ。現状の不満を分析し
リファインしてまったく別の賃貸住宅に変えることで、新たな居住者
を得ることができるだろう。
■多様化する賃貸住宅ニーズ
多様化する賃貸住宅入居者のニーズ、特に積極的賃貸派のニーズ
を取り込む事は簡単ではない。なぜなら積極的賃貸派のニーズは
普通の賃貸と比べてより多様化しているからだ。
ここで、国土交通省の「住生活総合調査」による住宅の各要素に
対する不満率を紹介しよう。持ち家と比較して賃貸住宅の不満率が
突出しているのは次の項目だ。
・台所、トイレ、浴室の使いやすさや広さ
・住宅の断熱性や気密性
・換気性能
・冷暖房費などの省エネ対応
・外部からの騒音に対する遮蔽性能
・上下階や隣戸からの騒音に対する遮蔽性能
この調査から、賃貸住宅入居者は持ち家同等の性能を求めている。
上下階や隣戸からの騒音対策は持ち家以上の性能が必要と考えて
いることが分かる。
しかし、これは一般的な不満率であって、積極的賃貸派への訴求
にはならない。
■積極的賃貸派のための賃貸住宅
より多様化するニーズを有する積極的賃貸派を取り込むには一つの
答えはない。既存賃貸の活用も含めて、順序立てて計画するしかないだろう。
①周辺環境や立地条件の把握
②メインターゲット層の設定
③室面積と賃貸料金設定
④メインターゲット層のニーズに応える賃貸住宅の建設
一つ言えることは、今までの常識を忘れ新たなニーズを発掘する意識
を持つ事。そしてニーズは変化する事も念頭に置く必要がある。

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