エコハウスの真実6 「設計事務所の省エネ住宅2」

エコハウスの真実6 「設計事務所の省エネ住宅2」
今日は南面に大窓を設けたパッシブハウスについて考える。
多くの設計事務所が指向するのは独創的なプランや造形デザインであり、
熱損失係数Q値などで自分の建築は評価できないと思っている。住環境
や省エネにはあまり興味がなく、機械的空調に頼っているのがほとんど。
このような大多数の設計事務所のなかでも住環境を重視したパッシブ
デザイン住宅を指向している設計事務所の進める省エネ住宅について
解説する。
パッシブ住宅のなかでも南面に大窓を用いた住宅をよく見かける。昼間に
日差しを取り込めば断熱性があまり良くない窓でも一日中温かいだろう
という期待で設計している。夏には日差しを遮りさえすれば風が良く通る
涼しい家になるという常套句も飛び出してくる。
さてこのような南面大窓住宅は本当に快適なのだろうか?
むやみに大きい窓は住宅を温室状態にして、夜間は窓からの熱損失で
寒いという可能性が高い。この対策として熱容量の大きなコンクリートや
タイルに蓄熱させるダイレクトゲインがあるがこれも簡単ではない。蓄熱
しすぎのオーバーヒートや冬の底冷え対策も必要だ。
パッシブ住宅を指向して失敗してしまう原因は感に頼った設計にある。
住環境は犠牲にしながらデザインとして大窓を取り入れ、そのことを建て主
も理解した上で機械的空調で快適室温にするのなら目的は達成している。
しかしパッシブ住宅を指向しながら失敗するのは良くない。
感に頼ったパッシブ住宅には限界があり、具体的な計算をする必要がある
のだ。日射取得熱と内部発熱、内部から外への熱損失量を算出して定量
的に確認すればよい。ダイレクトゲインによる蓄熱量ももちろん計算で確認できる。
例えばイスのデザインをするとき、座り心地と造形デザイン両方を高めた
イスをデザインするはずだ。座り心地は実物で確認して造形デザインへ
フィードバックできるが、住宅は実物模型を作る事はできない。そこで
計算による定量的な把握が必要なのだ。
パッシブ住宅は原理は単純で簡単そうに見えるが、以外に難しい。
次回は自立循環型住宅について解説する。

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