エコハウスの真実 32 自宅の光熱費分析3

エコハウスの真実 32 自宅の光熱費分析3
住まいのエネルギーソフトで算出した光熱費と実際の光熱費の違い
を解き明かしたい。今日は実際に使用した光熱費から給湯と暖房
エネルギーを算出して、計算値との食い違いを分析します。
自立循環型住宅では、机上の計算と実際の実測値を日々比較検討
して、設計スキルを高める努力をしています。私が行なっているこの
分析もその一環です。
さて、添付写真は我が家が一年間に消費したエネルギー量を時間帯
別に分けて棒グラフにしたものです。青は昼間、赤は朝晩、緑が深夜。
我が家はオール電化住宅で電気しか使っていません。それぞれの
時間は、昼間→AM10時〜PM5時、朝晩→AM7時〜10時、PM5時〜11時、
深夜→PM11時〜AM7時です。
消費KwhをJ(ジュール)に換算すると、昼間:12.56GJ、朝晩:29.22GJ,
深夜:80.78GJです。ここでも深夜帯の床暖房による11月〜3月の消費量
が突出していることが一目瞭然ですね。
①給湯費
 我が家の給湯機は電気ヒーター式給湯器です。実は最も電気を無駄遣い
 する給湯器です。
 給湯エネルギーは給水温度と給湯温度の温度差に左右され、同じ湯量を
 使うとしたら真冬と真夏では真冬のほうが約4倍のエネルギーが必要です。
 細かな説明は省きますが、水道水の平均水温から我が家の年間給湯
 消費エネルギーを計算すると、48.55GJとなりました。空気熱を利用
 するエコキュート給湯器に交換するとこれが1/3になります。
②暖房費
 我が家の暖房は深夜時間帯の床暖房と、朝晩の寒い日のエアコンです。
 深夜時間帯の消費エネルギーから、深夜にも使っている一般家電と給湯
 分を差し引くと、床暖房に消費しているエネルギー量は24.19GJでした。
 これに棒グラフから予想した朝晩のエアコン7.05GJを加えると、
 我が家の年間暖房エネルギーは31.24GJでした。
③計算値との食い違いを分析
 住まいのエネルギー性能ソフトで算出した給湯と暖房の消費エネルギー量
 は給湯:59.62GJ、暖房:49.69GJでした。この数字に対して実際に
 使用しているであろう使用量は給湯:48.55GJ、暖房:31.24GJです。
 給湯量の差は我が家の省エネ努力によるところが大きいと予想できます。
 タンク湯量と浴槽湯量を最低に設定、風呂には家族が連続して入浴する
 などの努力の結果です。

 暖房エネルギーの大きな食い違いな何なのか?
 ソフトへの入力では2種類の暖房機を入力できないので、床暖房のみを
 運用したとして計算しています。対して実際は朝晩にエアコンを使っていて
 エアコンの消費エネルギーは7.05GJと予想しました。このエネルギー量
 を電気ヒーター式床暖房で考えると約3倍のエネルギーが必要なので
 7.05×3=21.15GJです。深夜に使っている床暖房の消費量は24.19GJ
 と予想していたので両者を加えると21.14+24.19=45.34GJとなります。
 ソフトで算出した暖房量とかなり近い、計算誤差範囲内程度となりました。
④計算値と実際の光熱費の違い
 最後に光熱費の相違について分析しましょう。
 食い違いが出た原因1:床暖房で入力したが実際にはエアコンも併用している。
 食い違いが出た原因2:蓄熱式床暖房なので10%ほどエネルギー効率が良かった。
 食い違いが出た原因3:給湯の省エネ生活によるエネルギー量削減
 食い違いが出た原因4:電力料請求書を見ると、東日本大震災が発生する
                以前は毎月の燃料調整費として3000円ほど値引きされている。
 食い違いが出た原因5:電化上手割引と時間帯制御機器割引で計10%の割引きがある。
 以上のような原因により15万円ほどの差が出たのだと考えます。
と、このような地道な分析作業を通じて設計スキルを上げているのです。
今後のブログで自宅分析をさらに進め、「省エネ改修分析」、「実際の温湿度測定分析」
をお贈りする予定です。

■エコハウスの真実
1.住まいは夏を旨とすべし? 1
2.住まいは夏を旨とすべし? 2
3.ハウスメーカーの取り組み
4.ハウスメーカーの取り組み 追記
5.設計事務所の省エネ住宅1
6.設計事務所の省エネ住宅 2
7.設計事務所の省エネ住宅 3
8.設計事務所の省エネ住宅 4
9.工務店のエコハウス
10.空気は熱を運ばない
11.気密が必要な理由 1
12・気密が必要な理由 2
13.気密が必要な理由 3
14.気密が必要な理由 4
15.気密が必要な理由 補足
16.吹抜けに適した冷暖房機
17.冷暖房費を知るには
18.Q値とμ値って何?
19.Q値から暖房費を算出する 1
20.Q値から暖房費を算出する 2
21.μ値から冷房費を算出する
22.大開口の注意点
23.通風の効果
24.自立循環関東ゼミ 発表資料作成
25.自宅のQ値分析
26.Q値と温熱環境の関係
27.自宅のμ値分析
28.自宅のμ値と冷房費の関係
29.自宅のエネルギー性能
30.自宅の光熱費分析1
31.自宅の光熱費分析2
32.自宅の光熱費分析3
33.自宅の省エネ改修計画
34.自宅を次世代省エネ基準とするには
35.Q値と暖房システムの関係
36.この夏、自宅の温度実測結果
37.この夏、我が家の湿度実測結果
38.温度・湿度・風速で計算する体感温度
39.ミスナールの体感温度、実務への応用

■続・エコハウスの真実
1.家造りは夏を旨とすべし?
2.ハウスメーカーの取り組み
3.設計事務所の取り組み
4.エコハウスの定義
5.CASBEE
6.なんちゃってエコハウス
7.空気は熱を運ばない
8.気密が必要な理由
9.気密性能C値
10.冷暖房機器
11.吹抜の空調
12.断熱と遮熱のバランス
13.実測調査検証

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  5. エコハウスの真実 37 自宅の湿度実測分析

    昨日の温度実測分析に続き今日は湿度実測分析をしましょう。

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  7. 温度・湿度・風速で計算する体感温度

                        t:気温、h:湿度、v:風速

  8. ミスナール体感温度、実務への応用

    さて今日はエコハウスの真実シリーズ 40です。
    前回、温度・湿度・風速の3者から体感温度を求めるミスナール体感温度
    を紹介しました。今日は実務でどのように使えるかをご説明しましょう。

  9. 完全遮熱の家 研究報告

    自立循環型住宅関東ゼミ 事例発表で興味深い住宅の報告
    がりました。

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