Q値とμ値とは?

4月11日と12日のブログでは、開口部面積が延べ床面積の35%を超えるときは次世代省エネ基準の性能規定を下回る可能性があるから仕様規定ではなく計算で確認したほうがよいというお話をしました。
温熱環境を計算で確認する取り組みをしていなかった7年前に建設した我が家は、延べ床面積の65%もの開口部面積となっています。断熱仕様は立派な仕様規定で建設しましたが、計算してみるとQ値は3.95と次世代省エネ基準Ⅳ地域の基準2.7を大きく上回っています。開口部面積が延べ床面性の50%以上あるというのは大開口の建築家住宅でよくあることです。逆にハウスメーカーや建売住宅、工務店住宅ではあり得ません。実は建築家住宅こそ温熱環境を計算で確認すべきなのです。
さて今日の本題、Q値とμ値の持つ意味についてお話しましょう。
関東地方の多くが含まれるⅣ地域の基準は、Q値が2.7、μ値は0.07です。国が示している数字なのだからこの基準を満たしていればよいのでしょうか?例えば建築基準法は最低基準を示しているにすぎません。じ建築基準法レベルの耐震性能では関東大震災級の地震が来たら倒れはしないが地震後に再利用できないほど損傷する可能性が高いです。そこで基準法の1.25倍や1.5倍という耐震性能を目指して設計するのです。
Q値とμ値も同じです。その数字が持つ意味を知り、目指す温熱環境レベルを設定して設計すべきだと思います。ことさら高断熱住宅を目指す必要はないのです。寒くてもいいよ、暖房費が倍になってもいいよという方の住宅ならばQ値を上げる必要はないのです。
Q値の持つ意味
Q値は内外温度差が1度のときに失われる熱量です。Q値が半分になれば暖房費も半分になります。また暖房室と非暖房室の温度差や、暖房を切った時の温度と明け方の温度差を予測することもできます。上下温度差を予測することもできます。
μ値の持つ意味
μ値は、壁と屋根が無い状態で取得する日射熱量を100としたときの指数です。0.07とは7%の日射熱量が入ってくることとを意味します。入ってくる熱量が分かれば、必要な空調機能力を計算することもできますし、外部の「よしず」や簾の効果でどのくらい快適になるかを数字で示すこともできます。逆に入ってくる熱量を知らずに導入した空調機の能力が足りずに部屋が冷えないなんて事になってしまうのですね。

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