
快適で健康に暮らせる住空間を省エネルギー性(できればゼロエネ)にも配慮して実現する。
これは現代住宅の基本と考えています。
その上で建築家としてデザイン性にも優れた建築を提案したいと思い日々努力しています。
数日前、ハウスコというサイトで建築家を探している方から「カビ・ダニや健康住宅について留意することは何ですか?」というお問い合わせをいただきお返事しました。ちょっとお返事するだけでもサイトの上限文字数2000字を超えるレポートになったので数回に分けてブログでもお伝えします。
今日は入浴前後の危険についてお伝えします
冬の入浴時間帯に救急車のサイレンが多い事にお気づきでしょうか?
沖縄以外の日本全国において冬季の救急車発動数が急激に上がります。これは世界的に見ても特異な現象です。欧米では全館暖冷房が主流ですし、中国や韓国も暖房は全館暖房が主流です。日本では昔から人が居る部屋だけを必要な時間帯だけ冷暖房する間欠冷暖房が主流です。洗面脱衣室とお風呂には暖房はありませんから10度を下回る様な環境で服を脱ぎ入浴するということになっています。
そんな環境で入浴しているわけですから居室からの温度差によるヒートショックと入浴による血管の収縮と膨張により心筋梗塞や脳内出血が引き起こされるのです。入浴前後の年間死亡者数はなんと1万人を超えており、これは交通事故による年間死亡者数よりも多いという現実。まさに住宅の中の凶器です!!
この事故を防ぐには脱衣室と浴室の温度を15℃以上に保てるような高断熱住宅とするか、または浴室暖房乾燥機などを設置して入浴前に暖房することでほぼ防げます。入浴時には滑って転倒する事故もありますよね。滑り難い床素材と適切な位置への手摺り設置なども当然留意しなくてはいけません。
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