錦織伝説の始まり

テニスのマドリード・オープン男子シングルス決勝が行われ、世界ランキング12位の錦織圭は同1位のラファエル・ナダル(スペイン)に6―2、4―6で迎えた第3セット、0―3とリードを許したところで棄権し、準優勝に終わった。4月のバルセロナ・オープンに続く2大会連続優勝を逃した。
上記のようなニュースが昨日テレビやネットのトップニュース扱いで報道された。熱心なテニスファンでなければマドリードオープン準優勝がどれほど難しく大きなものなのか分からない事だろう。マドリードオープンは有名な4大大会に次ぐグレードでありトップ選手に出場が義務付けられた重要な大会だ。ATP1000と呼ばれるこのグレードは年間9戦、その下のグレードのATP500に属する大会は錦織が4月に優勝した大会である。ATP500は優勝して500ポイント、ATP1000の優勝ポイントは1000で準優勝者は600ポイントを得ることができる。さらにATP1000シリーズはトップ選手に出場が義務付けられているため欠場した場合は即ランキングダウンにつながる。
その大きな大会で錦織は10日のフェレール戦で3時間の熱戦で勝利し、11日のナダル戦では2セット目の終盤までナダルを圧倒する試合内容で有利に進めながら故障により棄権した。あと30分錦織の体がもっていればおそらく優勝していたことだろう。勝負に「たられば」は無い。棄権により負けたことが事実であるすべてではある。だがこの2試合の試合内容を見る限り錦織はTOP5にふさわしい実力に達したと実感した。錦織が表現したベースライン付近でコースを変えながら打ち合う戦術はクレーコートでの新時代の戦い方を実践したものであった。言うのは簡単だが細かなイレギュラーが多いクレーコートでは最も難しい技術といえる。
錦織の体の弱さを指摘する方が多いのは確かだが、この2年間錦織は怪我や故障とうまく付き合いながら長期離脱することなくツアーに出場し続けていることも事実である。錦織は現在24歳。テニス競技者のピークは27歳~28歳と言われているだけに錦織のこれからの5年間での活躍に大きな夢を抱くのは自然なことだ。
テニスファンの間での夢だった錦織は、今後日本国の夢となるかもしれない。
「錦織伝説 夢の始まり」である。

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