イエシロアリ

小笠原は日本で最もシロアリ被害が大きな地域です。6月にはシロアリが群をなして飛び回り、地中だけでなく飛来したシロアリが建物の隙間から進入し木部を侵食します。小笠原に生息するシロアリは本土に多い「ヤマトシロアリ」ではなく「イエシロアリ」という種類になります。ヤマトシロアリが水分を含んだ木部を侵食するのに対し、イエシロアリは自ら水分を運んで乾燥した木部を侵食する性質を持っているため被害が広がるのです。
小笠原のシロアリに対しどのような材種が強いのかを調べるため暴露実験をしておりその途中経過をお知らせします。実験は土の中に埋めたもの(A)と、森の中に放置したもの(B)で実験中です。埋設および放置したのは今年6月ですので3か月強経過しています。
(A)土の中に埋設したもの
材種 : 防蟻剤を注入した材、防蟻処理していない桧材と杉材、松材、ウッドデッキ材、モイスTS
被害状況:いずれの材種もまだシロアリ被害はありませんでした。
変化としては桧材の表面が剥がれ落ちていましたが、シロアリによるものではないと思われます。
(B)森の中に放置したもの
材種 : ホウ酸処理した木材(桧、杉、松)
ホウ酸は雨で流れ落ちてしまうため、直接土に接しないように角材で浮かせてビニールを被せた
状態で放置しました。
被害状況 : ホウ酸処理した材の下に敷いた角材はシロアリ被害がありましたが、ホウ酸処理された材は
被害ありませんでした。
以上、実験開始から3か月という短期間の途中経過です。材は土の中と森へ戻し実験継続しています。
次回小笠原へ行くのはおそらく来年1月頃になると思います。また結果をお知らせします。

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