断熱性能4 断熱性能とコストの関係

12年前に建設した次世代省エネ基準の仕様規定断熱材を入れたにもかかわらず開口部面積が大きすぎてQ値3.9W/ m2Kとなってしまった我が家の温度環境を日々お伝えしています。
今朝7時にはすでに暖房していたので朝5時30分の状況です。外気温4.8℃、室内温度13.3℃、湿度57%。窓は朝7時の暖房時のもの、窓ガラス上部11℃・ガラス下部10℃、窓枠上部10℃、下部10℃でした。
さて今日は暖房性能シリーズの4回目、暖房性能の違いと建設費の関係についてお話しします。
写真は東京や神奈川など比較的温暖な地域での断熱工事に関わるコスト差を示しています。現在一般的な基準とされている平成11年告示(次世代省エネ基準)Q値2.7W/m2を基準として、Q値2.1W/m2Kに上げるには30万円のUP、Q値1.5W/m2Kに上げるには80万円のUPとなります。この金額を聞いて意外に安い(低い)と感じる方も多いのではないでしょうか。設計者の中にも断熱性能を上げるには大きな費用が必要と思っているこ人が多くて、この額をお話しすると「えっ、そんな額で出来るんですか」という言葉をよく聞きます。
住宅1軒の工事費のうちで30万や80万円ですよ。快適性が格段に変わるのだから余りある投資だと私は感じます。
ではどのような仕様にすればこの額で断熱性能を上げられるのかをご説明します。まずは基準となる平成11年告示(次世代省エネ基準)ですがこの基準を満たすには2つの方法があります。一つは計算で断熱性能を確かめる方法、もう一つは仕様規定で定められた断熱材の種類と厚みや窓仕様を守れば基準を満たしたとみなされる方法です。2020年に計算による確認が義務付けられるのですが、計算せずに仕様規定を標準としている設計者や工務店がとても多いです(私の実感だと9割の方は計算していない)。6地域の平成11年告示(次世代省エネ基準)のQ値は2.7W/m2kですが、仕様規定度通りの仕様で作った住宅のほとんどは計算してみるとQ値2.4W/m2K程度になります。断熱性能は開口面積で大きく変わりますし、断熱施工不備などによる欠損もあるので国も安全率を考えて仕様規定を定めているのです。一般的な住宅の開口部面積は床面積の15%程度ですが、これを30%程度まで上げていけばようやくQ値2.7W/m2kとなるのです。
表の工事費差額は平成11年告示(次世代省エネ基準)の仕様規定(高性能グラスウール)で開口部面積15%を基準とした金額差なのです。
平成11年告示(次世代省エネ基準)6地域の断熱仕様は高性能グラスウールだと壁90ミリ・屋根185ミリ(又は天井160ミリ)、アルミサッシ複層ガラスです。この仕様で断熱欠損の内容な確実な施工をすればQ値2.4W/m2kとなります。
次にQ値2.1W/m2Kです。断熱材を壁100ミリに上げるのと窓をアルミ樹脂Low-E複層ガラスに上げるだけで達成できるので30万円のコストUPで実現できます。
さらにQ値1.5W/m2kは断熱材を壁100ミリ・屋根200ミリ・樹脂サッシLow-Eアルゴンガス注入複層ガラスとし、24時間換気を熱交換型(壁付けの安価なタイプ)にすることで実現できコストUPは平成11年告示(次世代省エネ基準)から80万円のUPとなります。
どうでしょうか、断熱性能とコストの関係を理解いただけましたでしょうか。上記コストは最もコストパフォーマンスの高い高性能グラスウールで試算したのものなので、他の断熱材を使った場合は差額が大きくなります。次回の断熱性能解説は住居時の空調費についてお話しする予定です。

断熱性能解説
断熱性能の基本的知識
暖房室と非暖房室の温度差
断熱性能と暖房している部屋としていない部屋の温度差の関係を解説
断熱性能別の早朝室温
断熱性能と前夜から明朝までの温度低下の関係を解説
断熱性能とコストの関係
断熱性能を向上させるためにかかるコストを解説
年間冷暖房費
年間冷暖房費の試算値
無暖房住宅
無暖房住宅は夢じゃない、日射のみで自然循環する室温
蓄熱住宅
蓄熱効果を加えることで室温が安定しさらに快適になる
断熱性能と健康性の関係
断熱性能が向上すると住人の健康性も向上する
まとめ
1回~9回の総まとめ、1ページですべての関係が分かる

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