
築12年、次世代省エネ基準の仕様規定の断熱材を入れたにもかかわらず平成4年基準(Q値3.9W/m2K)となってしまった我が家の室内環境をお伝えしています。
今朝5時30分の室温は12.6℃、外気温は3.8℃、前夜からの温度低下は10時間で室温5.0℃、外気温3.3℃でした。暖房していない寝室のの床表面温度は13℃、壁13℃、天井14℃という状況です。
今日は遮熱シートの効果について実験中の結果をご紹介します。写真は寝室北側の窓外に掛けた遮熱シートです。工事中の現場で使った屋根の遮熱シートの残りを持ち帰ったもので、製品名はフクビ 遮熱ルーフエアテックスという商品です。なぜ真冬に遮熱シートの実験?、と疑問に感じる方も多いでしょう。例えば屋根の遮熱の効果について考えると、夏の遮熱効果を期待するなら別に遮熱シートを使う必要はありません。二重屋根にしたり屋根の上にウッドデッキを敷くなどして要は日除けを設ければ十分です。現実的には遮熱シートのほうが圧倒的に安価に施工できるのですが、遮熱効果は屋根の上を日除けしたほうが高いのです。
屋根の遮熱シートによる効果については去年の10月4日のブログで紹介しています。
話を冬の遮熱実験に戻しましょう。そもそも熱はどのように伝わるのか?、ご存知でしょうか。
熱が伝わる(移動する)原理は3つしかありません。1 伝導、2 対流、3 放射(輻射)の3つです。伝導は直接触れている物体間の熱移動、対流は空気による熱移動、放射(輻射)は電磁波の作用による熱移動です。ここでもう一つ質問です。熱移動3つの原理のうち最も大きな熱移動はどれでしょうか?
多くの人は2の対流(空気による熱移動)と答えるのではないでしょうか。10年前に温熱環境の勉強を始めたころの私も対流と答えていました。
答えは3の放射(輻射)です。さらに驚きなのは放射による熱移動量の割合の多さです。非常に大雑把にいいますと、100の熱移動のうち75は放射(輻射)によるもの、20が対流によるもの、残りの5が伝導によるものなのです。そこで冬の遮熱シート実験につながってきましたね。窓の外に冷熱という電磁波を遮る遮熱シートを掛けるとガラスの表面温度はどう変化するのか、という実験でございます。実際には温度が高いガラスから外部に放熱するのでしょうが、イメージ的な言い回しです。
昨日と今日の二日間、外気温とガラス表面温度を測定したので実験の途中経過を報告します。
15日朝7時、外気温0.8℃、室内温度13.1℃、遮熱ありガラス表面温度7℃、遮熱なしガラス表面温度5℃
16日朝7時、外気温3.5℃、室内温度13.8℃、遮熱ありガラス表面温度8℃、遮熱なしガラス表面温度8℃
実験結果は放射による熱移動だけでなく対流が減少した効果もあるはずですが、思った以上に温度差が出ました。
その後の実験データは「遮熱シート実験2」でご覧ください。「遮熱シート実験 2」
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