緑色のアイツ

緑色のアイツです。
そう、温熱に関心の高い建築関係者の間で噂になっている「自立循環型住宅設計ガイドライン(温暖地版)」の改訂版講習会です。10年前の初版時にも講習会に出席し、目に見えなかった性能の数々を定量的な数値で評価できることに感動した事を覚えています。

ガイドラインに自立循環型住宅の定義が記載されているので転記しますね。
「自立循環型住宅とは、気候や敷地特性などの住宅の立地条件および住まい方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で、建物と設備機器の設計や洗濯に注意を払うことによって、居住性や利便性の水準を向上させつつも、居住時のエネルギー消費量(二酸化炭素排出量)を2010年の標準的な住宅と比較して、太陽光発電を含めずに50%にまで削減可能な、太陽光発電を含めるとゼロエネルギー化が可能な現時点(2015年)にほいて十分実用化できる住宅である」

10年前のガイドラインでは消費エネルギー半減の基準年度が2000年となったこと、太陽光発電を含めずに50%に削減という文言となったこと、また太陽光発電を含めるとゼロエネルギー化が可能という文言が加わったことの3点が変更されています。10前には一般的な技術ではゼロエネルギー化が難しかったものが、現在では十分可能な技術となっているということです。基準年度の2010年で示されている標準的な住宅というのは次世代省エネ基準レベルの住宅ですから、そこから消費エネルギーを半減させればゼロエネは難しいことではありません。最新の私の設計でも3kwの太陽光発電を設置すればほぼゼロエネ化ができると試算しています。

この設計ガイドラインは消費エネルギーを減少させる技術を研究した成果を設計・施工者に分かり易く伝えるものですが、読み込むと快適度合を数値として説明できるように編集されています。また細かな計算が苦手な人と、細かな計算を行ってより現実に即した性能を把握したいという人の両方に対応しているところも良い所です。

10年前にはただただ感動というガイドライン講習会でしたが、10年間温熱や快適度の勉強を続けてきた現在は熱や換気量などの目に見えないものを理解しながら設計できるようになってきました。今回のガイドラインでは、換気量の計算、遮熱性能の計算、蓄熱量の計算、照明計画計算などすぐに実設計で役立つ情報が満載でした。

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