周壁表面温度の重要性

前回のパッシブデザイン解説ブログでは、ヨットとモーターボードを例にパッシブの意味を説明しました。今日はパッシブデザインを手掛けるようになったきっかけについてお話しします。
広義な意味でのパッシブデザインは建築設計を始めたころから意識していました。太陽角度を計算して庇の出幅を設定したり、風の流れを読んで窓の位置を決定する、南側に落葉樹を植えるなどの設計手法が一般的な広義な意味でのパッシブデザインです。そして、より専門的なパッシブデザインに取り組み始めたのは13年前に自邸を建築した後です。


自邸は南側の公園と北側の多摩川の景色を取り入れて東西の住居の存在を感じないよう窓の位置を大きさを決定し、夏の陽ざしが室内に入らないように庇の出幅を決定しました。このような設計意図は高い効果をあげてとても気持のよい空間にはなりましたが、温熱環境的には快適なものにはなりませんでした。このような経験から、断熱性能や日射遮蔽性能、日射取得性能、換気回数などを設計時に計算で確認しながらプランやデザインを決定する設計手法で設計するようになったのです。


このように環境性能を計算で確認しながらプランやデザインを決定している設計事務所はほとんどありません。環境性能を計算で確認したことのない設計事務所はその重要性に気付きませんし、居住者はもっと理解できないので依頼する設計事務所に計算確認の要望を出しません。なんだか選挙と政治のような関係ですね。車のカタログには走行性能など様々なデータが並んでいるのに車の10倍の価格である住宅には性能表示の要望を出さない。最終的には消費者が変わらないといけません。
感覚的なパッシブデザインと計算確認によるパッシブデザインは、同じパッシブデザインでも天と地ほどの差が生じます。これから住宅を計画される方は設計者に性能表示の要望を出しましょう。

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