
今日はパッシブデザインの建築を設計する際に注意していることを解説します。
設計時には性能数値と温熱環境の関係を丁寧に紐解きながら建築仕様を決定していますが、計算ばかりの頭でっかちにならず、竣工後の建て主の声を積極的に聞いたり、竣工後の温湿度実測や光熱費収集などを通して設計と実際の差異を常に肌で感じながら次の設計に活かすようにしています。刑事は現場100回などといいますが、温度や湿度、風などの目に見えない要素と建築デザインを融合しなくてはいけないので自分の肌で感ずる感覚はとても重要です。この自分の肌で感じる感覚と設計時に計算した性能数値の関係性をリンクさせることがとても重要です。
住宅を建てる目的は人それぞれ違うのでしょうが、快適で心地よい住宅にしたいという思いは共通のものでしょう。性能数値ばかり追い求めてしまうとこの住宅を建てる根本的な目的を忘れてしまいがちです。性能数値を達成することや高性能な窓を設置することが目的ではありません。どのような温熱環境や空気環境を求めているのかを考えて、その性能を達成するために必要な仕様を工費や工法、意匠や構造などトータルでバランスの良い住宅として成立させていく必要があるのです。
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