続・エコハウスの真実3「設計事務所の取り組み」

そもそもエコハウスってどんな家?

「続・エコハウスの真実」シリーズの3回目になりますが、そもそも、エコハウスってどんな家でしょうか?

設計事務所的に説明すると、「地域の気候風土や敷地の条件に応じて自然エネルギーが最大限に活かされることと、環境に負担をかけない方法で建てられる住宅」となります。

次に環境省的には、「二酸化炭素発生量の少ない住宅」と説明されています。こちらの方がよっぽど分かりやすですね。大量の創エネ設備を設置すれば立派なエコハウスになります。

前者の説明と後者の説明が混在しているところにエコハウスの難しさがあります。太陽光や通風活かした家もエコハウス、地産地消の建材で環境負荷を減らすのもエコハウス、太陽光パネルをバンバン載せた家もエコハウスです。なにがなんだか分かりませんが前回のブログでお話したハウスメーカーの取り組みと、これからお話しする設計事務所の取り組みを比較することで理解できるかもしれません。

エコハウスに対する設計事務所の取り組み

先ごろ発刊された日経アーキテクチャーで省エネ計算に関する記事がありました。設計事務所への全国的なアンケート調査によると、外皮性能計算ができる設計事務所は約50%だそうです。5年前は10%以下だったことを考えるとだいぶ進歩(?)しました。身の回りの肌感覚から言うと、計算できるけど実際には計算していない・・・というのが現実です。

まず最初にお話ししたいのは、そもそも設計事務所の多くは住環境性能や省エネ住宅にあまり興味がありません。住環境性能を犠牲にしながら気持ちいい大開口や庇のない窓を作り、機械的空調に頼っているのがほとんど。それでいて自然の光と風をコンセプトに心地いい空間を作ります、などと説明しています。

住環境性能を重視したパッシブデザイン住宅を指向している設計事務所の進めるエコハウスはどうでしょう。南面に大窓を用いた住宅をよく見かけます。昼間に日差しを取り込めば断熱性があまり良くない窓でも一日中温かいだろうという期待で設計し、夏には日差しを遮りさえすれば風が良く通る涼しい家になるという常套句も飛び出してきます。さてこのような南面大窓住宅は本当に快適なのでしょうか?

パッシブ住宅を指向して失敗してしまう原因は感に頼った設計にあります。住環境性能を犠牲にしながらデザインとして大窓を取り入れ、そのことを建て主も理解した上で機械的空調で快適室温にするのなら目的は達成しています。しかしパッシブ住宅を指向しながら失敗するのは良くない。感に頼ったパッシブ住宅には限界があります。

例えばイスのデザインをするとき、座り心地と造形デザイン両方を高めたイスをデザインするはずです。座り心地は実物で確認して造形デザインへフィードバックできますが、住宅は実物模型を作る事はできません。そこで計算による定量的な把握が必要なのです。

小規模建築物の省エネ性能説明の義務化

小規模建築物の新築等に係る設計を行う建築士は、当該小規模建築物の建築物エネルギー消費性能基準への適合性について評価を行うとともに、当該設計の委託をした建築主に対し、当該評価の結果(基準に適合していない場合にあっては、エネルギー消費性能の確保のためとるべき措置を含む。)について、書面を交付して説明しなければならないものとすること。(第27条関係)
※出典:建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案要綱

上記のように、小規模な戸建て住宅でも省エネ性能を説明しなければいけなくなります。確認申請時に省エネ性能計算書の添付を義務付ける省エネ性能計算の義務化は惜しくも見送られてしまったわけですが、今から5年後には設計事務所でも省エネ計算実施率100%となっていることを切に願います。

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