続・エコハウスの真実7「空気は熱を運ばない」

省エネ住宅・エコ住宅の設計手法

動画はずいぶん前に作成したインフォームドチョイスを説明するものです。お時間あるかたはご覧ください。※作成した時は事務所名を変える前の事務所名「森建築設計」です。

インフォームドチョイス

住環境は住宅の満足度の半分を決定づける大切な要素ですが、多くの設計事務所は自分の設計している住宅の住環境性能を説明できません。外皮平均熱貫流率Ua値や日射取得係数η値を算出してその数値を伝えることと、その数値の結果どのような住環境性能になるのかを説明するのはまったく違います。計算結果の数値がどのような意味を持ち、室温・エネルギー消費量・光熱費・住人の快適感覚を説明しないと一般の方々には理解できません。

ここではっきりと言っておきたい。住環境性能を説明できない設計事務所は住人の快適性を本気で考えていない、自分が設計している住宅に責任を持っていないということです。専門家だから快適な住宅を設計してくれるだろう、なんて考えてはいけません。納得いくまで聞いて確認しましょう。自分の身は自分で守る必要があります。車を購入するときに、カタログで馬力や燃費を確認し、内外デザインやシートアレンジなども納得して購入するように、住宅も各種性能を確認しプランやデザインも納得したうえで建設すべきなのです。

空気は熱を運ばない

さて、今日は熱の伝わり方についてお話します。熱が伝わる原理をご存知でしょうか?

伝導

対流

輻射

熱が伝わる原理はこの3つしかありません。エアコンは対流を使った空調機です。床暖房は輻射を使った暖房、床から足に伝わる熱(またはその逆)が伝導です。熱が伝わる原理を正しく理解しないと本当のエコハウスは実現できません。

太陽熱や地中熱などの熱をごく簡単な空気循環だけで家の隅々まで届けるような概念図をよく見かけますが、そう単純ではありません。空気は熱伝導率が低く熱を搬送する媒体としたとき非常に性能が低いのです。空気は温まり難いだけでなく熱を運ぶ能力も低い、同じ温度・体積の水に比べると空気は1/4000しか熱を運べません。ほとんどの断熱材は空気の熱伝導率の低さを利用して空気を閉じ込めることで断熱しています。

熱が伝わりにくい空気を対流させて冷暖房を行うには非常に大きな風量が必要になります。エアコンは1時間に500m3もの空気を吹き出しています。8帖の部屋の体積は32m3ですから、部屋全体の空気を1時間に15回も循環させないと冷暖房できません。大空間でエアコンの効きが悪くて困ったことはないでしょうか?これは空気自体に粘りがあるため運動エネルギーが瞬時に拡散して遠くまで届かないからです。空気を対流できないのですがからエアコンの効きが悪いのは当然です。

このように、空気は熱を「受け取らない」「運ばない」「届かない」と三拍子揃った怠け者なの。半面、ヒートポンプという熱交換システムによりエネルギー効率は優れています。大きなの期待はせず、性能を理解して計画する必要があります。

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