続・エコハウスの真実8「気密が必要な理由」

エコハウスに気密は必要?

シリーズ前回ブログでは「インフォームドチョイス」と「空気の熱移動」について解説しました。
エコハウスの定義、ハウスメーカーのエコハウスへの取り組み、設計事務所の取り組みなどの概論を経て、エコハウスを設計するうえで必要な基本的な知識の解説へと移ってきたわけですが、今日から数回に分けて「気密」ついてお話しします。

エコハウスに「気密」は必要か?

断熱はなんとなく分かるけど、気密については分かりませんよね。高気密は息が詰まるイメージがするというお話もよく聞きます。前回のブログでは空気は熱を運ばないというお話をしました。これは媒体としての話で、熱せられた空気は瞬く間に上方へ移動します。熱気球を見れば分かりますね。吹き抜け空間の上部は暑くて下部は寒いという経験からも想像つくことでしょう。

気密性の無い住宅ではどうだろうか?

温められた空気は屋根や壁上部の隙間からガンガンと外部へ逃げていく。さらに悪い事に逃げた量と同じだけ1階床下や壁下から冷たい空気を補充することになります。つまり、暖房するほどに足元が冷たくなるのです。隙間風、底冷えという言葉で表現されているように体験的に納得できることでしょう。石油、ガスストーブ、薪やペレットストーブなどの高温の熱を作り出す暖房器具はこうした悪影響が大きいです。膨大な暖房エネルギーを無駄に捨てながら、なおかつ寒い。省エネ的にも住人の健康維持的にも良くないのは明白です。

気密と断熱はセットで考える

高断熱で低気密だと足元から冷たい空気がガンガンと流入します。気密と断熱はセットで考えなくてはいけません。また気密と換気もセットで考えなければいけません。

断熱は空気の流れをストップさせで空気を溜め込み、熱が伝わり難い空気の特性を利用することで成立します。冬の屋外で通気性のある厚手のセーターと通気性の無いダウンジャケットではどちらが暖かいでしょうか?
みなさん身を持って体験しているから通気性の無いダウンジャケットのほうが暖かいのが分かるだでしょう。住宅でも同じです。断熱を一言でいうと「空気の流れを止める」ことと言えます。空気が動いたら効果は激減します。煩雑に入れた断熱材では性能が50%低下するという実験データ―もあるので特に重要です。そして気密を高めることは壁の中の内部結露防止にも役立ちます。内部
結露は室内の湿気を壁に入れない、入った湿気は外部に排出するよう外部側にいくほど透湿抵抗の小さくしていくことが鉄則です。断熱性能確保と壁内結露防止の観点からも気密は必要なのです。

シックハウス対策の換気

よく気密すると息が詰まる気がするという話を聞きます。そう思う心理は分かりますが、そんなことはありません。気密住宅で窒息した、なんて話はありませんよね。気密が必要なもう一つの理由をお話しします。

シックハウス問題が発生してから、住宅の24時間常時換気が義務付けられました。住宅の居室には0.5回/時の換気が必要です。1時間あたり部屋の体積の1/2の換気量が必要というものです。6帖の部屋で12m3/時、12帖の部屋で24m3/時という結構大きな換気量です。

低気密の住宅では換気扇の周辺の隙間から空気が流入して換気扇で排気されてしまうので、肝心の居室の空気は汚染されたまま滞留します。この現象をショートサイクルと言います。もう一つ問題があります。真冬の住宅では上下の温度差が高くなるので、下は負圧、上部は正圧となります。つまり1階から空気が流入して2階から排出しようとする力が強くなるので2階居室は外気の取り入れができなくなってしまいます。

この2点目の問題も気密を高めればクリアできます。ここまでお話すれば分かりますよね。低気密のまま換気扇を回しても汚染された空気は排気できません。24時間換気用の換気扇をトイレに設置する事例が最も多いですが、換気扇を回しながらトイレの窓を開けていたらトイレの窓から入った空気を換気扇で排気するだけという結果になります。昔からの習慣でトイレの窓を開けるご家庭が多いかと思いますが、シックハウス対策の換気としては何の意味も無くなってしまうので注意が必要です。

気密が必要な理由

最後までお付き合いいただきありがとうございます。気密が必要な理由3点をまとめます。

1、断熱性能の確保

2、壁内結露防止

3、シックハウス対策の計画換気

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