続・エコハウスの真実9「気密性能C値」

気密性能C値(すき間相当面積)

前回のシリーズブログで気密が必要な3点の理由を解説しました。
1、断熱性能の確保
2、壁内結露防止
3、シックハウス対策の計画換気

よく分からない気密性能ですが、実は住宅の性能・劣化・健康に関わる大切な性能であることを理解してもらえたことと思います。今日は具体的な気密性能について解説します。

どのくらいの気密性能があればよいのでしょうか?

この問いに即座に返答できる人は専門家でも少ないです。まず気密性能についてお話しますね。気密は隙間相当面積「C値」で評価します。「相当すき間面積」と表記している書物もあり意味は同じです。

具体的には、家の外周(外壁、天井、床、窓)にあるすき間の総面積(c㎡)を延床面積(㎡)で割った値です。単位は c㎡/㎡ です。表面積累計ではなく延床面積で割った値であることに注意が必要です。つまり、延床面積 100 ㎡ の家の C 値が 1.5 c㎡/㎡ であれば、家のすき間の合計は 150 c㎡(はがき 1 枚程度)あるということになります。数値が小さいほど高気密であると言えます。また隙間相当面積は計算では確認できません。竣工後あるいは工事中にに機械で測定しなければ知る事ができません。

ここで示した必要なC値は最低限必要な数値です。安全率を考えると実際には2割り増し程度の性能を目標とすべきです。

必要な気密性能C値はどの程度か?

平成11年に定められた次世代省エネ基準では、北海道や青森などの寒冷地は2cm2/m2、関東地方は5cm2/m2あればよいという基準でした。昔の日本の住宅は隙間だらけで、7cm/m2の隙間があると言われていました。現在建てられている住宅は気密を意識せずに建てた建売住宅でも2cm2/m2近くまで気密化が高まっています。つまり現在建てられている住宅のほとんどは次世代省エネ基準では気密住宅と言えるのです。気密が必要ないと考えていても実際は気密住宅となっているのですから、設計者だけでなく一般の方々にとっても必要な知識ですね。ちなみに平成25年省エネ基準では気密性能の基準は無くなりました。

では次に次世代省エネ基準通りに作っていれば問題ないかをお話します。結論からお話すると上記の数値では冬の計画換気が出来ません。関東地方などの比較的温暖な地域ならば隙間相当面積 2cm2/m2の気密性能が最低限必要です。東北以北の寒冷地では1cm2/m2の気密性能が最低限必要です。どういうことかというと、内外温度差によって内外の圧力が決まるので必要なC値(すき間相当面積)も変わるのです。寒冷地ではより高い気密性能が必要ですし、沖縄では低くてもよい。細かい話では、比較的温暖な地域でも年に数回ある外気温0度というような日では2cm2/m2の気密性能では換気できません。当然ですが、気密性能が高くても低くても窓を開ければ窓換気されます。

気密工法

隙間相当面積は機械で測定しなければ知る事ができませんが、気密工法と気密性能の関係である程度予測することは可能です。具体的な気密工法については住宅金融支援機構が発行しているフラット35住宅工事仕様書を参照されることをお勧めします。断熱方法(充填断熱?外張り断熱?)ごとに必要な気密工法が文章と図解で示されています。比較的な温暖な地域の工法と寒冷地の工法も明示されています。この気密工法を現場で厳格に実施すれば上記で説明した必要な気密性能を確保できます。

これで気密に関するお話は一旦終了します。エコハウスを名乗るからには、必要な断熱性能と気密性能を確保し、空気質の維持に必要な風量を機械換気で確保するのが大原則です。断熱と気密は、住人の快適性や心地よさに直結し、少ないエネルギーで室温を調整できるのでランニングコストが下がり省エネにもなります。つまり、地球にも住人にも優しいエコハウスに近づきます。

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