続・エコハウスの真実 11「吹抜けの空調」

吹抜けに適した冷暖房機

断熱性能を高めたエコハウスで吹抜け空間をよく見かけませんか?
吹抜けは天井高さが高く開放感や豊かな空間を得られるという理由で採用されることが多いです。高窓からの陽ざしが部屋の奥まで入り込み、明るくていかにも暖かそうです。今日はそんな吹抜け空間に適した冷暖房機について考えてみよう。部屋上部の単純な吹抜けだけでなく、居室にある階段も上下の連続空間という意味では同じ吹抜けです。

この吹抜け空間、冷暖房効率という点ではやっかいです。その理由を暖房時と冷房時に分けて解説します。

(1)暖房時
まずはどんな空調機を導入したとしても共通のデメリットが2点あります。
1、吹き抜け上部に開口部(窓)があると、開口部で冷やされた空気が下に降りてくるコールドドラフト現象。
2、気密性能が悪いと床下からの冷気侵入が激しくなり底冷え感が強まる。

次に暖房機別の問題点を説明します。
●エアコン→暖気が上に上がり吹き出し空気が床面に届かない。エアコン内部の温度センサーでONOFFを判断するので吹抜け上部が必要以上に暑くなってしまう。
●ファンヒーター→吹き出し温度が高くエアコン以上に上下温度差が高い
●床暖房→温度ムラが小さく快適だがエネルギー効率が悪い

(2)冷房
・エアコン→冷気が下階にとどまり上階はまったく冷えない。吹抜け空間の上部に書斎勉強スペースを設けるようなプランでは上階が暑くて勉強どころではありません。

ご覧いただけば分かるように、エコハウス的視点で考えると吹き抜け空間に適した冷暖房機というものはありませせん。

吹抜け空間の冷暖房対策

エコハウス的視点では適した冷暖房機はない、と言ってしまうとあまりにも残念なので、専門家として吹抜け空間の連暖房対策をいくつか紹介しましょう。

1、プロペラファン
暖房時に上部に溜まった暖気を下方へ下すことで上下温度差を均一化する。冷房時は冷房度併用することで扇風機のような効果により温度設定を高めにしたり稼働時間を短縮できます。

2、吹き抜け上部に小型エアコンを設置する
吹抜け上部に小型エアコンを増設することにより、メインエアコンの温度設定を適正化できトータルの消費エネルギーを削減できます。

3、上下の仕切り
建築的な造作が必要ですが、冬は吹抜けを仕切って暖気が上がらないようにすることで暖房消費エネルギーを大幅に削減できます。

4、全館冷暖房
日本で一般的な居室ごとの冷暖房方法(部分間欠冷暖房)に対し、欧米で一般的な全室24時間令暖房(全館冷暖房)を採用して温度差を無くす。部分間欠冷暖房よりも消費エネルギーが2倍になります。

5、吹き抜け上部の開口部(窓)
吹抜け上部には開口部(窓)を設けない、あるいは小窓にする。窓を設ける場合は高性能窓とする。

吹抜け空間の冷暖房対策について解説しました。最後に協調しておきたいことがございます。吹抜け空間を採用する場合は高断熱化・高気密化が不可欠です。どこまで高性能化すればいいかは建設する立地条件によって変わります。具体的な検討が必要な方はご連絡ください。

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