続・エコハウスの真実 12「断熱と日射のバランス」

続・エコハウスの真実 12
「断熱性能と夏季日射熱取得率のバランス」

平成28年省エネ基準では地域に応じた断熱性能と夏季日射熱取得率の基準値が定められています。正式な名称は外皮平均熱貫流率(UA値)の基準値[W/m2K]と冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)の基準値で、下の表がその基準値です。

地域区分は8つの地域に分類されていて、一つの県でも2つの地域が混在するところもあります。

省エネ基準を鵜呑みにしてはいけない

東京や神奈川など比較的温暖な地域は「6地域」に分類され、Ua値は0.87、ηAC値は2.80という基準が定められています。よく見ると5地域~7地域のUa値は全部0.87ですね。同じ神奈川県の6地域でも冬の最低気温は2℃も違うのにUa値基準は同じです。0.87を鵜呑みにして設計してしまうと大失敗してしまうこととなってしまいます。

基準値はあくまで最低基準と考えてください

さて、次に夏季平均日射熱取得量ηAC値を見てみましょう。1~4地域は基準無し、5~8地域も僅かな違いしかありません。こちらも基準値を鵜呑みにして設計すると大失敗してしまいます。

寒冷地は断熱を強化する傾向にあるのです、ηAC値に基準が無いので下記日射遮蔽を考えない(庇などがない)住宅を建ててしまうと、建替え前は必要なかった冷房が必要になる可能性が大きいです。

日射遮蔽のない高断熱住宅は超暑い

5地域~7地域でも夏季日射遮蔽はとても重要です。冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)は2.80のままで、外皮平均熱貫流率(UA値)を強化するとどうなるか?
Ua値=0.87、Ua値=0.56、Ua値=0.46へ強化した住宅を想定して室温上昇を計算すると、Ua値0.87住宅は約6℃、Ua値0.56住宅は約9℃、Ua値0.46住宅は約11℃室温上昇する結果となります。温度上昇分は冷房機で室温を下げることになるので余計な冷房費が発生してしまいます。この試算は「日平均」なので日中の室温上昇はさらに大きくなると予測できます。

冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)は日射遮蔽で下げながら室内が暗くならないようにする。反対に暖房期の平均日射熱取得率(ηAH値)は高くして日射を取り込みながら外皮平均熱貫流率(UA値)は高くなるようにバランスをとることが重要です。

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