「地域の建築的伝統や手仕事の技に敬意を払い、支援する」
ー空間の造形ー
ーバウビオロギー25の指針ー
新しくつくられた住宅街よりも、前世紀に実現された市街地や村、集落に人々はなぜ魅力を感じるのでしょうか。
イタリア トスカーナ地方の家
岐阜県白川村の白川郷
グローバルに流通する建築資材を用いて、世界中から労働単価の安い職人や企業と一緒に建てることができるのであろうはずなのに、なぜ地元の地域から(おそらく)賃金の高い職人を雇うのでしょうか。
私たちが、もしもすべてがグローバルな消費と経済性で自らの行動を決定したとしたら、人間のアイデンティティ、創造性、文化、そしてそれと共に人間としての尊厳、生活の質、ふるさと感情は奪われてしまうと思います。これを行うと、私たちの消費財、住まい、家、村、都市は顔が見えなくなり、退屈で、混沌とし、交換可能なものになってしまいます。個性が失われているのです。これは日本の都市にも同じことがいえます。現在の地方都市はもはやどの地域にあるものか分からなくなっています。
上の2枚の住宅街はそれぞれどの都市に建設されたものかわかるでしょうか?
上段は広島県
下段は埼玉県です。
地域の建築文化と職人技だけが、地元で入手可能な材料を使用して、美しく、個性的で、社会的にも受け入れられ、エコロジカルで気候にもやさしく、加えて革新的で美しく有機的な住まい、職場環境をつくりだすという事実につながります。ドイツのハーフティンバー住宅、南イタリアのトゥルッリ、ギリシャのミコノス島の建築、バリ島の竹の家、中国の伝統的な建物などが今日まで私たちを魅了しています。一方、今日の「アーキテクチャ」は、ほとんどの場合、同じ材料でできており、多くの場合、工業的でエネルギーを多く消費します。
自分の技術、情熱、地場の製品を使って、快適で夢をかなえる生活環境をつくってくれる職人や建築家に委託しましょう。
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