国産天然乾燥材 伐採から製材の工程を紹介

葉枯らし天然乾燥材の伐採ツアー、題して「与作ツアー」に参加しました。
場所は静岡県天竜市の「天竜T.S.ドライシステム協同組合」で、私の住宅設計で構造材としてよく材種指定している製材所です。

木の伐採から製材、乾燥までの流れを写真と動画で解説しますので最後までご覧ください。

山地直送

月の満ち欠けに合わせて伐採し、伐採場所でゆっくりと葉枯らし、製材工場で加工後に1年以上じっくり乾燥熟成させる。1本1本伐採した場所と日時がわかるよう管理された天然乾燥材を商社など通さず工務店へ直接お届けできる協同組合です。ブラックボックスになりがちな材木の金額が明確となるのも消費者にとって利点です。

伐採開始

チェーンソーを使い伐採を開始しました。1本目は職人さんがデモンストレーション、他3本はツアー参加者の伐採体験で初体験ですが私も少し切らせていただきました。
伐採後、木が倒れていく迫力ある様子を動画撮影したので興味ある方らはご覧ください。

伐採後の根元の年輪です。すぐに番号を印字してトレーサビリティー管理していきます。

月齢伐採

木の伐採は一般に冬季(9月~2月)に行われます。成長期は養分を多く含んでいるため、腐りにくくシロアリに強い木とするために冬季に伐採するのです。天竜T.S.では、その期間のなかでも満月から新月に向かうひと月の約半数の日だけに限り伐採します。昔から月の満ち欠けによって地球の生物はその影響を受けてきました。木もまた同じで月の満ち欠けによってその生命活動を変化させています。

月齢伐採した木は「腐りにくく・カビにくい・狂いにくい」という特徴を持つようになります。さらに色艶と香りの良い、丈夫で良質な木材になります。

木の旬を逃さないことが大切なのですね。

葉枯らし乾燥

良質な木材とする上で、実は最も重要なのは「葉枯らし乾燥」といわれています。天竜T.S.では、伐採後に杉は3か月、ヒノキは1か月ほど伐採場所でゆっくり葉枯らし乾燥させます。水分が減ることによる運搬メリットに加え、木材にとって大切な天然のフェノール成分(カビや腐朽菌を寄せ付けない成分)が作られ、さらに色と香りが豊かになります。このような葉枯らし乾燥のメリットは広く知られていますが、資金回収に時間がかかるという経済性から葉枯らし乾燥を行っている林業家はほとんどいないのが残念です。

製材

山から切り出された原木は製材所に搬送されて、柱材や梁材、フローリング材などの仕上げ材などに製材します。上の写真は製材後の材木が屋外で天然乾燥されている様子です。ゴミではありませんよ(笑)。こんなに木をたくさん保管していてよく乾燥の順番が分かるなと感心します。

製材所に運ばれた原木

製材の第一段階、皮むき。むくというより削り取るという印象です。けたたましい音と共に丸太を移動しながら皮をむいていきます。

皮むき後の丸太

周辺部をそぎ落としたあとの切り皮

これはフローリングや枠材などにするためスライスしています

4寸(120角)の材に製材するまえの丸太。およそ27センチくらいの直径です

丸太を4寸(120角)の柱材に加工している機械。丸太に映し出された赤い線にそってあっという間にカットしていきます。製材の様子を動画撮影しました。興味ある方はご覧ください。

こちらはフローリング材を製材しているとろです。両側面に凹凸を入れながら裏側に溝を入れていきます。凹凸はフローリング張りするための実加工、溝は反り防止になります。

乾燥熟成

製材工場に運ばれ加工された木材は、屋外で約2か月、その後平均1年以上を屋内でじっくり乾燥させていきます。こうすることで丈夫で身の締まった粘りのある良材となります。

こちらは仕上げ材を屋内で乾燥させている状況

構造材の感想状況。構造材、仕上げ材ともに含水率を測定しながら所定の含水率になるまで乾燥させています。

天然乾燥のメリット

色がよく、油の乗った色艶が出る。木材本来のいい香りがする。乾燥におけるCO2発生はほぼゼロ。内部割れの可能性おける強度的不安は無し。

デメリットは、乾燥までの期間が長く管理が大変、広い倉庫も必要。一般に人口乾燥材よりも高い。

生産者の都合と、少しでも工事費を下げたいという消費者のニーズから人口乾燥が主流となっているのです。そのような状況のなか、天竜T.S.ドライシステム協同組合では人口乾燥材との価格差が小さく絶大な信頼から標準仕様としているのです。

トレーサビリティー

1本づつバーコードが添付されていますね。天竜T.S.ではすべての木にトレーサビリティー(追跡)を導入して、育った場所から管理番号とバーコードで徹底管理されているのです。我が家で使った木はどの場所に何月何日に伐採された木か後に調べることも可能。

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