日本は国土の約3分の2を森林が占める世界でも有数の森林国です。そのうち約4割は人が木を植えて育てた人工林。現在、戦後に造林された多くの人工林が本格的な利用期を迎えており、資源量は年々増加していますが国産材の利用が十分に進んでいないという現状があります。毎年春に訪れる杉や桧の花粉による花粉症も人工林と無関係ではありません。
国産材を使うことは、「伐って、使って、植えて、育てる」という人工林のサイクルの一部です。二酸化炭素(CO2)の吸収や国土を災害から守るといった森林の持つ多くの働きを発揮させるためにも、国産材を使って森を育てることは大切なことなのです。
このような状況から、平成22年度に制定された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が令和3年に「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に改正されました。改正の大きなポイントは、これまで公共建築物を中心に定めていた木材利用の促進を、今後は民間を含む一般での木材利用をめざすということです。
文頭に掲げた「修了証」は、非住宅建築物で木造建築物を実現するためのセミナーを受講した「修了証」です。
具体的には、平屋~3階建てまでの非住宅の建築物で、一般流通材とプレカットによる在来工法を利用した建築物の設計セミナーです。特殊な構造計算ではなく3階建て木造住宅で行っている「許容応力度計算」で設計できるようにするための方法、防耐火構造で必要となる事柄などを学びました。
いままでモヤモヤしていた法令関係が整理でき、今後は1000㎡を超える木造建築物でも自信をもって設計できます。
セミナーのポイントを頭の整理も含めて記載しておきます。
・一般流通材とプレカットによる在来工法でコストカット!!
・1000㎡以下ごとに防火区画することで室内に木を現した構造も可能!!
・防火壁はRC又は強化PB2重張りとすれば混構造の必要なし!!
・一般的な許容応力度計算ソフトで可、JISトラスを使えば大空間も実現できる!!
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