25の指針「持続可能な環境の形成」

エネルギー消費を最小限にし、再生可能なエネルギーを利用する

エネルギー消費の低減への要請です。最も重要な地球のエネルギー源は間接、直接に太陽に由来しますが、相違はその再生時間だけです。石油や天然ガスや石炭に対して、再生エネルギー(太陽・風・水・バイオマス)だけが私たち人間の表象可能な時間で更新できるのです。太陽エネルギーをはじめ、地熱・風力など再生エネルギーの利用が求められています。日本でも太陽光だけでなく洋上の風力や小水力による発電が盛んになっています。

新築、改修にあって、環境へのネガティブな影響を回避する

「揺りかごから墓場まで」という言葉があります。住宅の維持管理のための省エネ性能だけではなく、製造や廃棄のことも含めて、環境負荷を抑えるということです。コンクリート1m3つくるには200リットルの石油が使われていることをご存じでしょうか。製造エネルギーを石油換算すると普通の家で約3万リットルを必要とし、バウビオロギー的な建て方ではその1/10で済んでいます。「結末を見通して、ことを始めなさい」(ヘロドトス・古代ギリシャの歴史家)

天然資源は有限であり大切に利用する。動植物を保護しつつ

渡り鳥だけでなく動物の多くが地磁場を認知しています。人間も動物であることを忘れないことです。自然の磁場を乱さないこと、動植物の生態系への影響にも留意することが大切です。天然資源は有限であることを忘れず、自然素材を単純なあり方で、適材適所に使うことを特に推奨します。住宅の基礎として利用されている鉄筋コンクリートの鉄筋は自然の磁場に影響を与えます。合成素材(ジューダン・カーテン・ビニールクロスなど)による静電気の発生も回避しましょう。

エコ収支の観点から最もふさわしい材料や経済循環を選ぶ

「収支」とはバランスをとること、「コスト収支」・「エネルギー収支」・「リスク収支」・「環境収支」など、様々な収支を組み合わせることは建築行為で大切な計画の一部です。エコ収支は、ある製品の原料入手~製造~利用~再利用~転用~廃棄までのライフサイクルに沿って環境への作用を査定評価することです。持続可能性についての完全な評価には、経済的、社会的視点を考慮しなくてはいけません。

質の良い飲料水に注意をはらう

25の指針のなかで、2006年に加わった項目で飲み水の問題を指摘しています。今日、たくさんの配管材料が存在し、飲料水の問題が後回しになっている、もしくは給水設備そのものに問題がないわけではないがために、必要な項目であると考えました。水道管としてはステンレス管が望ましく、ポリエチレン管、ポリプロピレン管も比較的安全な材料です。世界的に見て日本の水道水は安全と考えられていますが、新築・改修時にはどのような配管材が使われているか確認しましょう。

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