
バウビオロギーとは?
「バウビオロギー」という言葉も知らない方がほとんどでしょう。実はパッシブ設計を実践している設計者の間では広く知られています。知られているといっても書籍を読んだことがある、あるいは言葉を知っているという程度がほとんど。このページを読んでいるあなたは数少ないバウビオロギー認知者となれるでしょう。
バウビオロギーは3つの言葉を組み合わせた造語です。建築を意味する「バウ(bau)」、生命を意味する「ビオ(bio)」、学問を意味する「ロゴス(logos)」を組み合わせた造語で、日本では建築生物学あるいは建築生態学と訳されています。訳を聞いてもよく分かりませんよね。私は「健康や環境に配慮した建築について考える総合的な学問です」と説明しています。
バウビオロギーは「健康な住まい」を求めて誕生し、人間を建築をつくる中心に置き、「そこに住まう人、その空間を使う人にとってどうであるか」を判断の基準にしています。尺度は人間なのです。産業でも政治でも条例でもありません。心に響く20世紀ドイツの建築家・教育者のフーゴー・キューケルハウスの言葉を紹介します。
『住まいが人間に
その肉体と
魂と
精神に
奉仕しないとすれば
一体何のために建てるのか』
BIJバウビオローゲ
バウビオロギーは1960年代にドイツで生まれ、そのご欧米に広がりました。日本では1990年代に紹介され、2005年に石川恒夫先生らにより「日本バウビオロギー研究会」が発足しています。そしてバウビオロギーを体系的に学びその専門家を養成する目的で、2年間の通信教育講座を開設しています。私自身この講座でバウビオロギーを学び、2016年に「BIJバウビオローゲ(建築生物学者)資格」を取得しました。通信教育講座といっても、覚えることや自分自身で調べ研究することが膨大です。年2回の泊りがけスクリーニング(対面授業)などを経て、卒業まで3年を要しました。
BIJバウビオローゲ資格は、日本では20人しかいない(2022年現在)とても貴重な存在です。
持続可能な社会形成、二酸化炭素削減がミッションとなり建築分野でも省エネ化が進んでいます。ですが私たちの知識や行動はとかく偏りがち。「高断熱高気密」という言葉に惑わされ性能数値をいかに下げるかが目的のようになっています。性能数値の持つ意味をよく考え多面的にものを見る目を養うことが大切です。バウビオロギーは人間と居住環境をめぐる包括的な学問でその対象領域はとても広範囲です。環境と立地、建築工法、居住生理学、空間造形、建材と部位のエコ収支など、知り尽くすことは不可能に近いですが、バウビオロギーを学び知り得た知識からバランスをとって判断できるようになるのです。
住まいは「第三の皮膚」
バウビオロギーでは、第一の皮膚として「食」によって形成される身体があり、第二の皮膚として
の「衣」服があるとすれば、「住」空間はその延長上にある「第三の皮膚」だと考えます。住まい(建築)は人間の健康と安全を守るものであり、同時に外界との接点でもある。だから、内側の住環境が
健康で快適であることはもちろん、外側の環境に対しても、害を及ぼしたり、調和を乱すようなこ
とがあってはならないのです。ですからエコロジーは常に重要なテーマでありバウビオロギーの理念にも組み込まれています。
バウビオロギー住宅

バウビオロギー住宅は、バウビオロギーの理念に基づいて設計された、健康や環境に配慮された住宅です。そしてバウビオロギーの理念のなかでも特に3つ、「①健康」「②持続可能性」「③造形デザイン」について配慮して設計された住宅だけがバウビオロギー住宅と呼ぶことができます。上の図でいうと3つの円が重なった範囲の建築だけがバウビオロギー建築、バウビオロギー住宅なのです。
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「家とは何か」という問いに真正面から向き合い考え自分なりに判断していく手掛かりがバウビオロギーにあります。バウビオロギーについてより深く知りたいという方は下のリンク集から「バウビオロギー25の指針」ページへお進みください。