エコハウスの真実 35 Q値と暖房システムの関係
10回にわたり自宅の温熱環境分析をしてきました。実測した
温湿度の分析などお届けしたい情報がありますが、今日は一休み
してQ値を暖房システムの関係について考えます。
なぜ暖房?
夏が終わりこれから冬だから、というのもありますが冷房よりも暖房に
使っているエネルギーのほうがめちゃくちゃ多いのです。暖房は冷房
のおよそ10倍、住宅の全消費エネルギーに占める冷房と暖房の比率
は冷房が僅か2%で暖房は23%。
暖房エネルギーを削減することのほうが省エネに貢献できるし家計に
も優しいのですよ。
さて、暖房システムは家全体を24時間温める全館暖房と部屋ごとに
必要な時間だけ温める部分間欠暖房があります。日本の住宅はほと
んどが部分間欠暖房です。これは世界的にみると少数派なのです。
リビングは暖かいのに浴室や洗面脱衣室は寒い。寒いから浴槽に入って
体を温める習慣があります。この寒暖の差により冬になると脳疾患で
1万人以上の方が亡くなっています。年間交通事故死亡者の2倍以上
の方が入浴で亡くなっているのです。
と横道に反れてしまいました。詳しく知りたい方は私のブログの
「健康維持増進住宅」関連記事を見てください。
http://morikentiku.at.webry.info/201004/article_5.html
さらに部屋ごとの温度差が大きいことから北側の部屋で結露が発生
しやすいという問題も生じます。と、また横道に反れてしまった。
さて、全館暖房、部分間欠暖房、エアコンなどの対流式暖房、床暖房
などの輻射式暖房のそれぞれについて、目指すQ値を考えます。
輻射式暖房は電気ヒーター式は消費エネルギーが大きいので絶対避けましょう。
では私が考える暖房システムとQ値の関係を示します。
地域は関東地方のほとんどが含まれるⅣ地域を想定しています。
部分間欠対流式暖房→4.0以下
部分間欠輻射式暖房→3.3以下
全館対流式暖房→2.7以下
全館輻射式暖房→2.0以下
Q値が2.0以下だから全館複写式暖房がよいという意味ではありません。
全館複写式暖房を導入したいならQ値を最低2.0にしようという意味です。
エコハウスの真実 35 Q値と暖房システムの関係

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がりました。