開口部面積とμ値の関係

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建築知識という建築専門誌の温熱環境関係の原稿執筆中です。
昨日のブログでは開口部面積と熱損失係数Q値の関係についてお伝えしました。モデル住宅により種名レーションして計算した結果、開口部面積が延べ床面積の35%以上となったときには、Ⅳ地域におけるQ値基準2.7を下回る可能性があるので、仕様規定ではなく性能規定で確認したほうがよいといことをお伝えしました。
今日は開口部と夏季日射取得係数μ値についてお伝えしましょう。
延べ床面積に対する開口部の面積割合と、算出したμ値結果を列記します。
南側窓上には出幅90センチの庇が有るとして計算しました。
21.4%→0.036
28.2%→0.043
34.1%→0.049
40.3%→0.052
48.5%→0.064
μ値については開口部面積よりも庇やブラインドなどの日射遮蔽物による影響が大きいことから、次に庇の無い形状でμ値を試算しました。
21.4%→0.045
28.2%→0.054
34.1%→0.062
40.3%→0.072
次世代省エネ基準のⅣ地域μ値基準は0.07以下です。最近流行りの庇の無いBOXタイプの住宅では、開口部面積が延べ床面積の40%で基準に達しないということが分かりました。建物形状や窓性能、ブラインドなどの日射遮蔽物が有るかないかで変動があるので、なんとここでも35%という数字が見えて来ました。
熱損失係数Q値、夏季日射取得係数μ値、ともに開口部面積が延べ床面積の35%以上のときは計算で確認したほうがよい。仕様規定通りつくっても目標とする性能に達しない可能性が高いということが分かりました。
明日は、Q値とμ値の持つ意味についてお話したいと思っています。では、今日も頑張りましょう!!
住環境性能+Design住宅 森建築設計

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