断熱性能 2 暖房室と非暖房室の温度差

今朝7時の外気温10.8℃、室内温度17.3℃、北側窓ガラス上部14℃・下部12℃、窓枠上部13℃、下部11℃。
さて、今日は断熱性能と室内温度の関係、暖房室と非暖房室の温度関係についてお話しします。
写真を見て下さい、左側の大きな矢印は東京や神奈川の比較的温暖な地域(6地域)の断熱基準を示しています。これは「断熱性能1」でお話ししましたね。2020年に義務化される断熱基準は平成11年告示(次世代省エネ基準)でQ値は2.7W/ m2Kになります。

断熱性能Q値の意味も「断熱性能1」でお話ししましたが、おそらく一般の方には直感的に意味を理解することはできないことでしょう。そこで今日は暖房室と非暖房室の温度差という関係で断熱性能を解説します。東京や神奈川でお住いの住宅は人が居る居室だけ冷暖房して人が居ない部屋は無暖房の状態で暮らしている住宅がほとんどです。この冷暖房方式を部分間欠冷暖房と言います。これに対し人が居ない部屋や廊下なども含め家中すべて冷暖房するシステムを全館冷暖房jといいます。全館冷暖房の場合は部屋の温度はどこも均一化されますが、部分間欠冷暖房では冷暖房している部屋としていない場所は温度差が生じますよね。この温度差を表示したものが写真の四角の中の温度です。この温度差は私が所属している自立循環型住宅研究会で数百の事例を実測調査した結果導きだされたものです。実際には家の大きさや暖房室面積割合、居住人数などにより上下しますが、同じ条件であれば四角内の温度差になるという断熱性能の性能差とお考えください。

例えば平成11年告示(次世代省エネ基準)の家では暖房室と非暖房室の温度差は5℃程度、暖房室が20℃だった場合には非暖房室は15℃程度になることが分かります。非暖房室とは人が居ない寝室や廊下、洗面脱衣室やトイレになります。暖房している部屋から廊下へ出てトイレに入った時に寒くて凍えるなんて状況ではとても不快ですしヒートショックの原因にもなってしまいます。非暖房室はいくら寒くても15℃は欲しいと考えれば平成11年告示(次世代省エネ基準)が最低基準であることは理解できます。私は寒がりなので15℃でも寒いと感じるのでもう少し断熱性能を上げたいと思いますが、皆さんはいかがでしょうか?
次回の断熱性能解説では早朝の室温についてお話する予定です。

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