
ZEHゼロエネルギー住宅
昨日のゼロ・エネルギー住宅の概略に続き、今日はゼロ・エネルギー住宅の公的支援制度について解説します。
ゼロ・エネルギー住宅の公的支援制度は経済産業省によるものと国土交通省によるものの2種類があります。
経済産業省の支援制度は、昨年度までは補助金制度が350万円(補助率1/2)という大きな額でした。ゼロ・エネルギー住宅が普及技術に近づいたことから130万円に削減されました。国土交通省による支援制度は中小工務店などによる地域型住宅に対して1戸当たり165万円(地域材を過半に使う場合は20万円を加算)の補助を行うものです。
(1)経済産業省による公的支援制度
この補助を受けるには、断熱性能は省エネルギー基準(平成25年基準)よりも1~2割程度高いレベルが求められます。また一次エネルギー基準よりも20%以上の削減が条件になります。例えば東京や神奈川など比較的温暖な6地域では、外皮平均熱貫流率(UA値)は平成25年基準で0.87であるのに対し0.6以下の性能とする必要があります。
断熱の性能規定のほか、導入する設備に関しても補助事業の実施団体である環境共創イニシアチブによって性能が指定されています。この他、エネルギーを計測できる装置も導入しなければなりません。また省エネ住宅エコポイントとの併用はできません。
(2)国土交通省による公的支援制度
2015年度予算では中小工務店が建てる地域型のゼロ・エネルギー住宅建設に対して、低炭素住宅と同じ仕組みで1戸当たり165万円(地域材を過半に使う場合は20万円を加算)を上限に補助が受けられる事業となっています。
地域の中小工務店を中心としたグループが国の採択を受けて行うものです。
残念ながら、この二つの支援制度を併用することはできません。
経済産業省の支援制度は追加投資金額から補助金額を引くと、一般住宅からおよそ100万円の追加投資でゼロ・エネルギー住宅要件を満たす住宅となります。ん~省エネ住宅ポイントを使った方が費用対効果は高いかなという印象です。
国土交通省の工務店はグループ採択された仕様としなければいけないという縛りはありますが、補助金額が大きいのでその仕様で満足するなら使う価値はあるでしょう。
何度も何度も毎回言いますが、長期優良住宅・低炭素住宅・ゼロエネ住宅など全て省エネに特化した政策です。快適性や健康性は置き去られた性能要件であることは重々認識してください。快適性や健康性を確保するための断熱性能や気密性能は別途考える必要があります。
コメント