部屋の音響、遮音を最適にするー建材の選択ーバウビオロギー25の指針

 

部屋の音響、遮音を最適にする(低周波も含む)ー建材の選択ーバウビオロギー25の指針

 

部屋の音響のよさは、空気音が減衰してはいるが、まったく「飲み込まれている」わけではない場合に生まれます。反射材が優勢である必要があります。ただし、ジュータン、カーテン、布張り家具のような吸音材を利用できる必要があります。住居環境においては、たいてい「自動的」にそういう環境にあてはまります。事務所、学校、その他の作業環境においては反対に、特殊な吸音材を取り付ける必要があります。本当に良い音響を求めるには、音響の専門家が欠かせません。

 

ー音の性質ー

音とは、物体の響きや人の声が「振動」となり空気や水などの媒体をつたわって伝播していくものです。1秒あたりの振動回数は周波数として表され、100Hz(ヘルツ)とは1秒間に100回振動することを意味します。人間の話し声の基本周波数は約100~400Hz、歌声などを含めた声の層周波数帯域は80~12000Hz、人間が音として感じることのできるのは16~16000Hzの音波です。

音の性質は「強さ」・「高低」・「音色」の三要素で表すことができます。音の強さは空気圧の場合と同様パスカル(μPa)という単位で測定できるが、桁数が膨大な数値となるため建築実務ではデシベル(dB)、またはフォン(phon)で表されます。

デシベルは対数を用いて表される単位なので難しいのですが、音圧値が2倍になるとデシベルは6上昇、10倍になるとデシベルは20上昇することになります。フォンは主観的な単位で、音が聞こえない0から痛みとしか感じない130の範囲で表されています。騒音レベルは国際規格のデシベル(dB)で表現することとなっています。

上の表がデシベルと実施の音を表した例です。
・10デシベルの変化は、音量が倍増、ないしは半減したかのように感じられます。
・音源の数が2倍になると、デシベルは3dB上昇します。
・音源の数が10倍に増えると、およそ10dBの上昇となります。
・音の強さは音源との距離の2乗に反比例します。(距離が2倍になると1/4に減少)

 

ー遮音ー

遮音のテーマは、騒音には心理的要素が絡まり、聴覚能力と休息の必要性が個人差として異なるため、争いの種になることがおおいです。その量、質、時期、原因、また騒音にさらされる人の性格、年齢によって捉え方が異なります。それゆえ遮音は建物の外から(通り、電車、隣人など)と、建物の外に向かっての両方で、遮音性が優れている必要があります。

頻繁な騒音は神経過敏、睡眠障害、頭痛、聴覚障害、腹痛、下痢や重度の心臓血管疾患にまで及ぶ可能性があります。特に幼児期の環境騒音は、大人と比べて少なくとも6dB~12dB低く設定すべきです。騒音のなかで育った子供の言語能力の発達が阻害される恐れがあるのです。言語能力が十分に発達しなければ思考能力とそれに伴う学習能力・記憶能力の発達も遅れることになってしまいます。

優れた遮音を可能にするために、建物の建築計画と施工の際に考慮べき観点は多々あります。
・空気音の遮音には、できるだけ重い材料を用いることがポイントとなる
・密度の高い材料を用いる、振動が伝わらない二重構造とする
・音が発生する部屋と静かな環境を必要とする部屋をできるだけ離す
・屋外の騒音源に背を向ける、あるいは窓をを設けない(近年エコキュートが問題となっている)

優れた遮音を実現するには、建築計画段階で配慮すべき必要性があります。建築の遮音は、専門家の手にゆだねられるべきでしょう。

 

ー低周波ー

不思議なことに、低周波については、ほとんど知られていません。これらは16ヘルツ以下の周波数が問題であり、もはや聞こえませんが、振動として知覚され、多くの人は神経にさわり、睡眠を奪い、または不安やうつ病を引き起こすことさえあります。原因としては冷蔵庫、ボイラー、機械(モーター)、ヒートポンプ、風力タービン、鉄道や道路交通などがあります。発生源が陳地から、あるいは距離が離れていることもあり、因果関係を明らかにすることは容易ではありません。影響を受けた人々が医者へ向かい、心療内科に本当に分類されることは珍しくありません。

人間の身体は、大地と同様、独自の基本周波数を持っています。これは平均して10ヘルツ程度で、器官によって1~18ヘルツの間の値です。これらの振動には、時間に応じた生物学的なリズムがあり、例えば睡眠中は特定の振動帯域が1/3に減少します。この生物学的時計が狂うと、不眠・慢性的な疲労・イライラ・興奮・うつ・不安感・めまい・攻撃的態度などの異常が引き起こされます。

低周波の影響を回避するには問題となる音源の近くには建設しないことが最善の策です。建設地を変えられない場合は、弾性のある材料(スチールスプリング、ゴム粒子板など)で対策を考えることができる。また木造建築物が鉄筋コンクリート建物とくらべて振動の九州に比較的優れていることはよく知られている。

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