子供たちに仮面ライダーのDVDを借りたいとせがまれTUTAYAへ行ったついでに100円シリーズの映画を借りてきました。100円シリーズ、名作を厳選したというだけあって半分以上が見たことのある作品ばかり。
僕としてはあまり馴染みのない韓国映画ですが、以前から良い映画との噂は聞いていた「イルマーレ」を借りてみました。

イルマーレ 海
2000年の韓国映画ですが、2006年にはキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロック主演でハリウッドリメークされているので、ハリウッド版をご存じの方もいるかもしれません。
「イルマーレ」はイタリア語で海を意味する「ILMare」が語源です。
監督はイ・ヒョンスン、主演はイ・ジョンジェとチョン・ジヒョン。チョン・ジションは猟奇的な彼女で有名な女優さんです。
海辺に建つ一軒家に備え付けられた郵便受けを媒介に、2年の時を隔てて存在する男女が手紙を交換し愛を育んでいくロマンチック・ラブ・ストーリー。99年12月。“イルマーレ(海)”と名付けられた海辺の一軒家。この家から引っ越していくひとりの女性が郵便受けに手紙を置いていく。それは、新たな住人に宛てたものだったが、その手紙はなぜか2年前である97年現在そこに住んでいる青年の許に届いたのだった……。
さて前置きはこのくらいにして僕の感想を簡単に紹介します。
映画を見ながら15年ほど前に見たイタリア名作映画「男と女」を思い出しました。美しい風景や色彩、カメラアングルや構図などがゆったりと流れるストーリーの中に織り込まれています。「男と女」ほどではありませんけどね。
ストーリーはほぼ主人公二人で構成され、共演者は二人の環境や人生観を説明する程度で描かれる程度。良くいえば余白が多く見るものの想像力をかきたてますが、悪く言えばダイジェスト版を見ているほど説明がありません。このへんは賛否分かれるかもしれません。とはいえ、美しい風景と魅力的な建物、主人公二人の控えめな演技が情緒的な雰囲気を引き出している良作です。
主人公の男性は建築家を志す学生で、海辺に建つ一軒家は無機質な外観ですがとても魅力的です。海の上に高床式に持ち上げたデッキの上に建つ平屋で、浜辺へ下りる階段は満潮時は海の中へ干潮時は浜辺へ下りる階段となります。よく考えられた窓の切り取り方や、ざっくりとした質感の床材や存在感のある色彩の壁仕上げなど、巧みなカメラワーク(構図)と相まって魅力的に仕上がっています。主人公が愛する人の為に設計したという家の設計プロセスなども少し描かれているので建築家の仕事を疑似体験できるところも楽しいですよ。設計した新海辺の家のパースは有機的な外観となっていました。

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・光熱費1/2住宅の13要素
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・昼光の利用技術