建築・建材展セミナー 健康・省エネ住宅による地域活性化

昨日はOMソーラー主催の「パッシブ住宅・建築シンポジウム」
へ行ってきました。難波和彦、野沢正光、中村好文、など
そうそうたる顔ぶれで、内容盛りだくさんでした。この内容を
お伝えしたいところではありますが、今日は一昨日行った建築・
建材展のセミナーの感想をお伝えします。
建築・建材展2011セミナー
「健康・省エネ住宅による地域活性化」
(地域木材伝統的住宅技術の活用を考える)
パネリスト
・伊香賀俊治(慶応義塾大学理工学部 教授)
・田岡秀昭(高知県嶺北木材協同組合 理事長)
・国土交通省住宅局住宅生産課 木造住宅振興室長
・環境省地球環境局地球温暖化対策課 課長補佐
・林野庁林政部木材産業課 課長補佐
・村井宗明(衆議院議員)
コーディネーター
・上原裕之(健康・省エネ住宅を推進する国民会議 議長)
シンポジウムは各パネリストの個別講演から始まりました。
■高知県梼原の調査(伊香賀俊治)
伊香賀俊治氏は健康維持増進住宅研究委員会の一員で、
高齢者率36%という2025年の日本の人口構成に近い
高知県梼原町の住宅と健康、コミュニティと健康の関係を
調査されている方です。
基調講演としてお話された内容は、著書「健康維持増進住宅
のすすめ」の調査内容のその後を語る重要なものでした。
(健康維持増進住宅シリーズとして別の機会にお伝えします)
■森の危機、理想の森づくり(田岡秀昭)
森林率84%という高知県で森を守る活動をされている田岡氏
から、木材の強度や耐久性、木の家を建てることによるCO2
削減量について貴重なお話を聞くことができました。
出し惜しみするわけではありませんが、木材研究シリーズ
として別の機会にお伝えします。(内容が濃いので)
■国土交通省 住宅局
我が国のCO2発生量を対90年比で比較すると、運輸部門は
1.05倍、産業部門は0.88倍なのに対し、建築物関係の
民生部門は1.32倍となっている。

民生部門の内訳をみると、業務部門1.44倍、過程部門は
1.24倍。省エネ住宅比率は高まっているのにCO2発生量
が増えているのは、床面積UP、世帯数UP、家電UPなどが原因
だと推測される。
現在、省エネ法により300m2以上の建築物を建築する際に
は省エネルギー措置の届け出が必要となっているが、2020年
で1990年比-25%の目標を達成するには、新築住宅の省エネ
基準への適合を義務化すること、既存住宅の省エネ推進などに
ついて議論されている。
■環境省地球温暖化対策課
地球温暖化対策のための中長期ロードマップが示され、低炭素
行動の普及及びライフスタイルの変革が重要とされた。
このなかで、住宅の断熱性向上等によるNEB(省エネ以外の便益)
という考え方が示された。EB(エナジーベネフィット)は断熱による
直接的な便益であつ事に対し、NEB(ノン エナジーベネフィット)
は健康性の向上や医療費削減などの間接的な便益を言う。
NEBを金額で明示することで、省エネ住宅の促進を図ることを
考えている。
■林野庁 林政部
現在の日本の人工林は、建築資材として利用可能な樹齢50年
以上の木が30%、10年後には62%に達すると試算されている。
つまり完全が供給過多、杉や桧が余りまくってしまう。
植える→育てる→使う→植える、の好サイクルを達成するため、
森林・林業再生と地域材を活かした住宅作りを支援している。
詳しくはこちら→http://www.nihon-kinoie.jp/
■村井宗明(衆議院議員)
大規模な公共投資で景気浮揚するのは建材資材の輸入元、つまり
外国だった。多額の税金を投入して外国の景気を浮揚させていた
ということが分かった。
そこで、国産材による家づくりを支援することで、国内の景気を上げる
施策をおこなっている。具体的には、木の家整備促進事業の地域材
利用による補助金付加だ。認定長期優良住宅を国産材で建設する
ことで20万円の補助を出している。
後日お伝えするという内容が3項目となってしまいました。別の機会
に必ずお贈りしますので楽しみにしていてください。

コメント

  1. 循環型社会における木造住宅の可能性

    3月11日、東日本大震災が発生する数時間前に投稿した
    ブログで、「循環型社会における木造住宅の可能性」という
    シンポジウムへ行ってきたという報告をしました。

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