光熱費1/2のエコ住宅 39 「開口部の設計」

光熱費1/2のエコ住宅 39 「開口部の設計」
自然エネルギーを有効活用し、なおかつ快適な住環境をつくるためには
どうすればいいのか?
私は住環境を具体的数値で評価することで実現しています。前回のブログ
ではその設計フローを紹介しました。
今日は開口部の設計について解説します。
それぞれの細かな技術とエネルギー削減目標などはシリーズのなかで
解説していますので、そちらをご覧ください。
開口部の設計で重要なことは、何を導き活かし、何を閉ざすのかという事。
陽の光や鳥のさえずり、木々の香りや見事な眺望など、豊かなものは窓
から入ってきます。逆に騒音や不快な匂い、導きたくない夏の陽なども窓
から入ってきます。
これらの何を活かして何を閉ざすのかを決めていく作業が窓の設計です。

①昼光利用、日射遮蔽
 夏の陽射しは遮蔽し、冬の陽射しを部屋の奥まで導くよう設計しましょう。
 そのためには、真北からプラスマイナス15度の範囲に窓を設定する事
 が大切です。この範囲を外れると日射活用の効果が半減します。日射
 遮蔽には庇を活用し夏の陽射しが部屋に入らないようにしましょう。
 同じ面積なら天井に近い窓や細長い窓のほうが明るく感じまうす。

②卓越風を把握した通風設計
 住宅が立つ場所の卓越風(最も頻度が多い風向き)を把握し、その風上
 と風下に窓を設置します。住人が居る位置を風が流れるように窓の位置
 を設定するればより効果的です。もう一つ、2階屋根の天窓や頂側窓は
 立体的な風の流れを生むのでとても効果的です。

③引き算で考える窓の大きさと個数
 あったほうがいいなと感じる場所に所構わず窓を設けると普通の空間に
 なってしまいます。日射利用と通風を確保しながら、どれだけ壁を作って
 いけるかが設計力です。
次回は「断熱設計と日射遮蔽性能」について解説します。

■光熱費0(ゼロ)のブログシリーズ目次リンク
1.建築家が考える光熱費ゼロ住宅
2.光熱費0(ゼロ)住宅
3.光熱費0住宅の試算値
4.光熱費0(ゼロ)住宅 ランニングコスト分析
5.光熱費0(ゼロ)住宅 イニシャルコスト検討
6.一般的な住宅で光熱費0を実現するには
7.光熱費0の省エネ住宅 一般の住宅分析
8.光熱費0の省エネ住宅 家庭の消費エネルギー比率

■光熱費1/2住宅のブログシリーズ目次リンク
0.自立循環型住宅への設計ガイドライン
1.自然風の利用
2.昼光利用
3.太陽光発電
4.日射熱利用 1
5.日射熱利用 2
6.太陽熱給湯
7.断熱外皮計画 1
8.断熱外皮計画 2
9.日射遮蔽手法 1
10.日射遮蔽手法 2
11.日射遮蔽手法 3
12.全熱交換型換気扇
13.換気設備計画 1
14.換気設備計画 2
15.給湯設備計画 1
16.給湯設備計画 2
17.照明設備計画 1
18.照明設備計画 2
19.照明設備計画 3
20.照明設備計画 4
21.照明器具配置の設計手法
22.高効率家電機器の導入1
24.水と生ゴミの処理と効率的利用 1
25.水と生ゴミの処理と効率的利用 2
26.水と生ゴミの処理と効率的利用 3
27.生ゴミ処理
28.電気やガスの1次エネルギー換算値
29.発電ロスと送電ロス
30.光熱費領収書からエネルギー消費量を求める方法
31.二酸化炭素排出量の換算係数
32.省エネルギー性や経済性の評価ツール
33.造形デザインと環境デザインを共に高める設計手法
34.省エネ、エコ住宅設計マニュアル
35.住宅の二酸化炭素排出量
36.熱エネルギーの単位
37.環境を測定する
38.設計フロー
39.開口部の設計
40.断熱仕様の設計1
41.開口部の施工費比較
42.経済性能比較
43.断熱仕様の設計 2
44.断熱仕様の設計 3

コメント

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