続・エコハウスの真実6「なんちゃってエコハウス」

設計事務所のなんちゃってエコハウス

続・エコハウスの真実シリーズ2でハウスメーカーのエコハウスについて分析しお伝えしました。またその後のブログではエコハウスという視点で見るとハウスメーカーの住宅はそれほど悪いもんじゃない。むしろ窓換気を重視しない人にとっては満足できるレベルにあることを解説しました。全国規模でいうと建設戸数第一位は地場工務店、第二位がハウスメーカーおよび建売住宅、第三位が設計事務所住宅です。建設戸数は少ないですが今回は設計事務所の取り組みについてお伝えします。

まず最初にお話ししたいのは、そもそも設計事務所の多くは住環境や省エネ住宅にあまり興味がない。設計事務所が指向するのは独創的なプランや造形デザインであり、Ua値やη値などで自分の建築は評価できないと思っていることです。設計事務所の半数は温熱計算できないという日経アーキテクチャーのアンケート結果が照明しています。計算はできても性能とデザインをリンクさせた理念で設計している建築家はごくごくごく僅かです。住環境や省エネ住宅に関心がある設計事務所でさえ、住環境を犠牲にしながら見た目気持ちいい大開口や庇のない窓を作り、夏至の高度斜線で庇出幅を決めたり朝夕の陽を考慮せず窓を配置しているのが現実です。このような大多数の設計事務所のなかでも住環境を特に重視したパッシブデザイン住宅を指向している設計事務所の進める省エネ住宅について次回以降で解説していきます。

自然素材を標準仕様としています。地産地消の建材選定をしています。気候風土に合わせたデザインです。というような「なんちゃってエコハウスハウス」に騙されてはいけません。それで二酸化炭素消費量はどれだけ削減できるんですか?と訪ねてみてください。この問いに答えられない設計事務所の設計する住宅は「なんちゃってエコハウス」です。

パッシブデザイン住宅

省エネ住宅、エコハウスを進める設計事務所の多くが取り入れている技術がパッシブです。パッシブは太陽熱や通風、冷熱や蓄熱などの自然エネルギーを有効活用する技術です。同じ太陽熱利用でも太陽熱給湯などの設備による活用をアクティブソーラーと呼ぶのに対し、パッシブは建築的技術による自然エネルギーの活用でパッシブソーラーと呼ばれています。

パッシブデザイン住宅というと南面に大窓を用いた住宅をよく見かけます。
さてこのような南面大窓住宅は本当に快適なのだろうか?
むやみに大きい窓は住宅を温室状態にして、夜間は窓からの熱損失で寒いという可能性が高いです。この対策として断熱性能を高める、熱容量の大きなコンクリートやタイルに蓄熱させるという方法がありますが簡単ではありません。大開口で高断熱化させるにはサ窓サッシ施工費が約2倍になります。また蓄熱しすぎのオーバーヒートや冬の底冷え対策も必要です。パッシブ住宅を指向して失敗してしまう原因は感に頼った設計にあります。

住環境は犠牲にしながらデザインとして大窓を取り入れ、そのことを建て主も理解した上で機械的空調で快適室温にするのなら目的は達成していますが、パッシブデザイン住宅を指向しながら失敗するのは良くない。感に頼ったパッシブデザイン住宅には限界があり、具体的な計算をする必要が必要なのです。例えばイスのデザインをするとき、座り心地と造形デザイン両方を高めたイスをデザインするはずです。座り心地は実物で確認して造形デザインへフィードバックできますが、住宅は実物模型を作る事はできません。そこで計算による定量的な把握が必要なのです。パッシブデザイン住宅は原理は単純で簡単そうに見えるますが、以外に難しい。さらに意匠デザインに昇華させるとなると超難しいのです。

自然環境に負けるデザイン

敷地ごとに光の入り方や風の通りを読み、自然の力を最大限有効に活用できるプランを考える設計手法は設計事務所でないとできません。プランや仕様が決まっているハウスメーカーには出来ない。太陽の光や風の通りを考えない設計者はいませんが、勘に頼った設計は失敗します。

「自然環境に負けるデザイン」とあえて段落タイトルを記しました。パッシブデザインを考えるとき、自然環境に打ち勝とうとせず謙虚になることが重要だと感じます。

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