2025年4月 省エネ基準適合義務化

2022年(令和4年)6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年法律第69号)により、建築物省エネ法が改正されました。

これにより、原則すべての建築物について省エネ基準への適合が義務付けられます。

また併せて、建築基準法の改正により、建築確認・検査対象の見直しや審査省略制度(いわゆる「4号特例」)の縮小が措置され建築確認の申請手続きも変更されます。4号特例の縮小については昨日のブログで詳しく解説しているのでそちらをご覧ください。

省エネ基準適合の現行制度

(令和4年法律第69号)により、省エネ基準適合が義務付けられるのは、2025年4月の予定です。おそらく4月1日に確認申請を提出する建物については省エネ基準適合への審査が行われることとなります。もっと細かく説明すると、省エネ審査を回避しようとしたら3月31日までに検査済証を受領する必要があります。

ここで省エネ基準適合の現行制度について確認しましょう。写真資料①をご覧ください。

現行制度では、300m2未満の小規模建物については確認申請時に省エネ関連資料の提出は不要。建築主への説明義務だけが付されています。さらに、住宅や共同住宅などの住宅系の用途建物については、300m2以上の建物でも省エネ審査は必要だけど省エネ基準への適合義務はありません。省エネ基準への適合が義務となっているのは非住宅用途で300m2以上の建物だけ、となっています。

これが2025年4月から、原則すべての建物について適合が義務化されます。

省エネ基準への適合性審査

次に省エネ基準への適合性審査方法についてご説明します。

建築主は、確認申請時に「省エネ性能確保計画図書」を作成し、特定行政庁又は登録省エネ判定機関で審査を受け「適合判定通知書」を受領しなくてはいけません。そして確認申請提出時に「適合判定通知書」を添付して確認検査機関へ確認申請図書を提出、審査後に確認済証が発行されれば工事着工が可能となります。つまり省エネ基準への適合性審査を受け、適合判定通知書を受領しないと確認済証が発行されません。通常は省エネ基準適合判定と確認申請審査は同じ確認検査機関で行うことがほとんどでしょう。

省エネ基準へ適合しない場合は確認済証が発行されないので着工できない。つまり、省エネ基準適合が義務化されるということになるのです。

適合義務化される省エネ基準とは

最後に適合義務化される省エネ基準についてご説明します。

適合義務化されるといっても怖がる必要はありません。義務化される性能は20年前に定められた断熱性能で、現在建築されている住宅のほとんどは義務化される性能を満たしています。断熱性能は等級で示され、義務化される基準は左図の断熱等級4にあたります。長らく等級4が最高等級でしたが、本年新たな等級が定められ、現在の最高等級は断熱等級7となっています。

断熱性能は外皮平均熱貫流率Ua値という数値で表されます。床壁屋根の外周面1m2から内外温度差1℃の時に何W(ワット)の熱損失があるかという数値です。日本全国7つの地域に区分され、それぞれ基準値が示されています。東京や神奈川などの比較的温暖な6地域の数値を図にしたものが左の山型の右側に記されているUA値です。

断熱性能が高くなればなるほど室内の室温は安定し暖房費も削減できますが、反面建設費は上昇することになります。日射取得を得ながら暖房費を削減し、快適性と経済性からトータルで検討した結果、当事務所の標準仕様はUA値0.40程度としています。等級6を最低基準とし、自然素材を仕上げ材として設定し、さらに予算があれば等級7に近づけることとしています。

UA値と断熱効果、ひと冬の暖房費計算、熱貫流率U値と内壁表面温度の関係など、下のリンク先で詳しく解説しています。

適合性判定の手続きが必要になりましたよ、確認申請の審査期間が伸びるので早めに手続きを開始する必要がありますね。

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